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ステルラ  作者: 智織
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第9話 <救いを求めて4 side:セレーナ by. ナディア2>

帝国民3人のお話は今回迄です。

■□■□■


王国に入国して数日が経った。

一カ月ほどかけて無法地帯を南下して、王国の国境検問ではイヴァン兄さんが頑張って交渉して無事に入国出来た。よかった。


国境の州知事の計らいで王宮に入る為の根回しもしてもらえて、王妃様と門番宛ての手紙を預かって、王宮まで距離があるからと送ってくれようとまでしてくれたけど、自分たちで目指すからとそこまでは遠慮した。

とても親切にして頂いたけど、そこまで甘えるわけにはいかないし、信用するのは怖いと思って。


検問所を出てからは移動はなるべく徒歩にして、夜はモーテルに泊まるか町から離れていればエリアで過ごしてる。


食事も安めのチェーン店に行くかスーパーで惣菜、もしくは食材を買ってエリアで作るようにしてる。

帝国でも訓練で地方に行くときは自分達で食事の準備もしなければならないので、料理はレパートリーは少ないけれどそれなりには作れるつもり。


兄さんはいつも美味しいって言ってくれるしセレーナ様にもだいたいは食べてもらえる。

私も自分で食べてて不味いとは思わないから見た目の出来栄えも味も悪く無いんだと思うわ。




N「王国って凄いのねー。帝国より断然人口 多いし、町の雰囲気 素敵だし、服装や髪型がお洒落な人が多く見られるわ。」

I「経済力と統治力の差がありありと感じられるな。」

N「町中は賑やかだし、飢えで路上に座っている人や物乞いを見掛けないわ。」

I「それでもスリや引ったくり、人攫いなんかもいるかも知れないから油断するなよ。」

N「分かってるわ、兄さん。」



道が分からなくて兄さんと話し込んでた時、通りすがりの人が親切に教えてくれたの。

朝一やフリーマーケットを通りすがる時も皆んな明るく陽気な声で話し掛けてくれたり、何か一つ買うだけでオマケしてくれたり王国民は生活や心に余裕があるんだろうな。


食料品も日用品も帝国と比べると安いし、種類も豊富で同じ商品の在庫数にも余裕があるの。

品質も良い気がする。

お金に余裕があったら買ってみたいものが沢山あるわね。

王国民が、ちょっと羨ましく思う。




今の私達は、帝国軍に所属している者の身分証しか無いし、お金は今まで帝国軍で稼いだお金と父様が持たせてくれた少しの王国のお金しか持ち合わせが無い。

兄さんも私も仕事ばかりで、お金を使う時が無かったからそれなりに持っている。

このまま贅沢をしなければ、王宮に着くまでは余裕で過ごせると思う。


でも目に映る質の良さそうな武器や防具、可愛らしい小物などを見掛けると、購入意欲に誘惑されちゃいそう。

特に夜にテントやモーテルで寛ぐ時に着るルームウェアやマネキンが身に付けているお洒落な下着が目に入った時は我慢するの辛く感じる。


兄さんとはそのうち、帝国にバレないように偽名を使って冒険者 登録して収入を得なければならないわね。と話ているわ。


セレーナ様は、王国に入ってから、同じ肌色だけど見た目の違う見慣れない王国民を見てなのか、耳に聞こえてくる言葉が帝国で使われているアナスタシア語では無いからなのか、帝国と王国の町の雰囲気の差なのか、もっと別の理由かは分からないけれど、心が落ち着かない様子が見受けられるわ。


腕輪の影響で片言しか言葉を発せないから、何を伝えたいのか私には理解出来ない時があって心苦しく思うことがある。


王国の人々や町を見て、

S「人、違う。」、「町、違う。」

って立ち止まってじっと周りを見たり、自分を抱きしめて二の腕を擦ったり、頭を抱えて震え出す時もある。


今まで帝国で見て来た自分の知っているものと、王国で今 目に映っている光景の違いに頭の中の整理が追い付かないのかも知れない。


そうやって少しずつセレーナ様の様子がおかしくなり始めて数日が経ったある日、今日の宿となるエリアに向かっていくつかモンスターを倒しながら移動してて、いつものように兄さんが斧で危なげなく討伐していたの。

遭遇するモンスターも今のところ兄さんだけで倒せているからよかったんだけど、夕方に差し掛かった頃、私の身長分くらいありそうな大きな手が浮かび上がってて、私達を見つけると襲いかかってきた。


N「何よ、これ!帝国では見た事ないわ!!」

って思わず叫んじゃったわ。


真っ白な肌色に細長い指が5本、親指と小指の外側に羽が付いていてそれをバタつかせて飛んでいる。人差し指と薬指の指紋部分に目があり、中指の指紋部分に鼻の穴らしき物が付いている、掌の真ん中辺りに大きな口があって歯を見せてにったり笑いながら高さ1メートルから3メートルくらいの間をふよふよしているのが2体。

右手と左手で攻撃と防御を連携しているのか、動きが割と早いけど、魔法は使わないみたい。


浮かび上がって行動するという事は斧や剣で闘う兄さんには不利な相手。

魔法で応戦しようと杖を構えたら、頭を抱えて震え出すセレーナ様が目に映って、セレーナ様から目が離せなくなった私は闘えなくなった。


彼女も今までに見た事のないモンスターを前にたぶん頭が混乱して、いつもならこの状態になったら私が宥めたら徐々に落ち着いていってたのに、今回は、子供が泣き出して暴れるときみたいに体を動かしてるからまさにパニック状態になっているみたい。


いつも以上に様子のおかしいセレーナ様の側を離れる事が出来ないし、不利な闘いを強いられている兄さんの様子も気になるしで私も今ちょっと落ち着かない。


どうすれば、この状況を打開出来るのかしら。





お読み頂きありがとうございます。

イヴァンとナディア兄妹の視点のお話はいかがでしたか?また、王国に入ってから様子のおかしくなったセレーナはどうなるのでしょうか?


次回からはルーカス達の視点に戻ります。

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