第8話 <白鳩ジョナスと思念伝達 side:ルーカス>
元気な白ハトのジョナスの話とお城にいる父王リカルドとのやり取りの話です。
[試練の旅]の為、王宮を出発し最初の精霊王に会う為に王国の西側に向けて旅を始めたルーカス達。
旅に一緒に着いてきた王宮に住む黒犬のシルビアが実は風の精霊王の眷属で聖獣だということが分かった。
シルビアより様々な情報が齎され、更に、王妃である母レティーツィアより預かったネックレスから白鳩が出てきて喋り出した。
もう何が何だかなルーカス達である。
jo「ヘーイ!ジョナス様、参上!!
次代の若者達よ、よろしくな!」
と挨拶されるが、頭の整理が追いつかない3人は言葉も出ない。
そんな放心状態な3人を見たジョナスは、反応が面白くないらしく不貞腐れる。
jo「何だよ、何だよぉ。せっかくオレっち外に出て来てルーカス達と仲良くしようとしてんのに、リアクション無さ過ぎじゃねー?」
Sy「リカルドとレティーツィア揃ってルーカスに何も説明してないらしいぞ。まぁ、分からないでも無いがな」
jo「あー、それはオレっちもレティーツィアの側でネックレスから見てたから分かるけどー。それにしても反応なさ過ぎじゃねー?普通ならオレっち出てきたら『わぁ、すごーい!ネックレスから白鳩 出て来てカッコいいー!』とか『ジョナス様、素敵ー!』とかなんねぇ?余りの反応の無さに、オレっち傷ついちゃったなぁ。」
L.T.F「「「!!!」」」
L「あっ!あぁ、よ、よろしくなジョナス」
正気を取り戻したらしいルーカスがジョナスに挨拶する。
L「ってか、何でネックレスから白鳩 出てくんだ?説明してくれ」
ルーカスの訴えに他の2人も首を縦にふる。
Sy「先程、[試練の旅]に必要なのが地図と案内人と言うたな。初代と妃は長い間、子宝に恵まれず唯一 生まれたのがニ代目じゃ。
大事な跡継ぎで、それはそれは大切に育てたのじゃ。二代目が成長し成人を迎えた頃には初代も王妃もそれなりに歳を重ねていての。
そろそろ世代交代をする時期だと悟り、精霊王様への誓いを立ててのご挨拶だが、唯一の大切な跡継ぎが、案内人である妾がおり護衛も付ける予定だが、旅の途中で不測があっては。と、とても案じてのぅ。
旅の最中も近況が知りたいが、どうすれば?と悩んどった。
その頃より王宮で過ごしていた妾が、精霊王様に思念伝達し、精霊王様が与えたのが、白鳩をモチーフにして渡した、初代にブローチ、王妃にネックレスじゃ。その後 白鳩は王国の[平和の象徴]になりましたとさ。めでたしめでたし。まっ、鉄板よの。
でじゃ、
精霊王様はモチーフの白鳩、ブローチにジェンナ、ネックレスにジョナスと名付け、人語を話せるようにし、白鳩同士は遠く離れても念話が出来る様にした。所謂、伝言係りじゃな。」
jo「そ。当時は今より連絡手段が乏しかったからねー。電気が通って無かったから電話なんてもちろん無いし人間は思念伝達や念話使えないし。で、旅に着いてったオレっちと王宮に残ってたジェンナが念話し旅先と王宮を繋いで近況報告し合ったってわけー。」
L「なるほど。シルビーやジョナス、城にいるジェンナのことは分かった。だが、親父達がお
前等の存在やタブレロやラーマなどの話を何も俺に説明なかったのは何故だ?」
jo「それはトリスタンの奴が…」
Sy「ジョナス!」
シルビアが唸り出す。
シルビアの殺気を感じ黙るジョナス。
Sy「リカルドが敢えて説明せなんだのを、リカルドの意思を無視し、お主が言うのは罷りならぬ。リカルドに確認してからじゃ」
jo「分かったょーぅ。相変わらず、怒り出すと恐いおば…「(Sy)Woof!?」」
シルビアが、それ以上言わせぬと唸り声を被せる。
jo「お〜〜〜、怖………」
真っ白な羽根が広がり、ぶるぶる震えるジョナス。シルビアに年齢の話や[おばさん]呼びは禁句だと悟る3人だった。
Sy「さて。夜も更けてきたし、リカルドへの連絡は明日にし、そろそろ就寝といくかの。お主達も頭の中を整理したかろう。」
L「そうだな。思いも寄らない情報量が多く入ってきて、ちょっと頭パニックだわ。」
T「そうだな。少しゆっくり情報を整理したい」
F「そうだね。あー、俺 頭パンクしそー」
というわけで、結局 室内見学も出来ずシルビアにバスルームとトイレ、それぞれ就寝部屋を案内してもらい、寝支度を済ませて、それぞれ就寝につくのだった。
ベッドに入りシルビアとジョナスの話を思い返したルーカス。
L(ただの板や枝だと思ってたのが車や木になって、しかも木に付いた扉開けたら家の中って誰が想像するよ?魔法陣が描かれてるしラーマでタッチするとき多少 魔力吸われるから魔法の一種なんだよな。今まで当たり前に使ってたけど、改めると魔法って奥深ーわ。
シルビアが案内人の聖獣でジョナスが伝言係りねぇ。で、城にいる親父のブローチの白鳩ジェンナもジョナスと同じで、離れても念話が使える。そう言えば、シルビー達の存在を親父が言わなかったことに対しジョナスが、
jo「それはトリスタンの奴が…」
って言ってたな。親父が言わなかった、言えなかった原因が、叔父か?
あんの、糞叔父、何か碌でもねー事でもまた考えてんのか?
取り敢えず朝になったら、親父に確認だな。
電話は…まずいか。ジョナスに言って城にいるジェンナと念話してもらうしかないな。)
と、頭の整理がまだ追いつかないながらも、なんだかんだと移動と討伐とシルビア達の話で疲れたルーカスは眠りに着いた。
〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜
翌朝、目が覚め下階に降りていくと、トレバーもフェルもすでに起きていた。
L「おはよ」
T.F「「おはよう」」
と挨拶を交わし
T「昨夜は眠れたか?昨日の晩飯同様、携帯食になるがクッキーバー食べるか?」
F「あ、俺、湯で溶かして飲むスープなら持ってるよ。飲む?」
L「サンキュ。んじゃクッキーバーとスープにするわ」
三人が軽く朝食を済ませた頃、シルビアとジョナスがダイニングテーブルにやって来た。
Sy「おはようさん、頭の中、整理は付けられたかの。リカルドに確認したい事もあるじゃろう。
電話をするのは周りで誰が聞いておるのかも分からぬ故、ジョナスを通して念話するがよい。ジョナスとジェンナならすぐにでも念話出来るが声を出さなければ周りには届かぬ。で、ジョナスの背中にタッチしながら[リカルドと会話がしたい]と願えばジェンナが念話に気付いてリカルドに知らせれば電話のように直接 会話が出来る。ただし声を出しての会話は相手側にお主の声が丸聞こえ故、内密の会話するときは、声には出さず話たいことを頭の中で思い、思念で話掛けるが良いぞ。リカルドも分かっている故、話せるじゃろう。定期報告と内密話。臨機応変に使い分けると良いぞ。」
L「分かった。んじゃジョナス頼むわ」
jo「りょ〜かーい」
ルーカスはジョナスの背中を触りながら頭の中で、国王である父に話掛ける。
L(親父、親父。)
R(お、その声ルーカスか。思念伝達を使うということはシルビーからいろいろと話を聞いたな?どうだ、便利だろう。技術が進んだこの世の中でも思念伝達は誰も出来ん。精霊王様は本当に素晴らしい物を授けて下さった。)
と、リカルドはブローチに左手を添えて思念をしながら、目の前にいる家族に対して右手人差し指を口に当てる。
C「お父さまー、どうしたのー?」
La「クラリッサ、お父さま 今考え事してるみたいだから、お母さまのところにいらっしゃい。」
親父の周りでクラリスと母さんの声が聞こえた。
L(あ、今 話てて大丈夫か?)
R(構わんよ。悪かったな。いろいろと説明不足で。驚いたろう)
L(あぁ、まぁ驚きはしたがもう大丈夫だ。親父が話してくれなかったのにも何か事情があんだろ?)
R(まぁ、そうゆうことだ。何処に目や耳があるか分からんのでな。ジェンナとジョナス通じての思念伝達は[試練の旅]に出た者達の中でもごく僅かの者しか知らないからな。こういう形なら誰にも知らずに情報交換が出来る。でだ、何故シルビー達のこと説明せなんだかの理由だが、)
L(大丈夫。だいたい予想出来る。トリスタンの糞叔父が関係してんだろ?)
R(そうか、実はそうなんだ。昔から我に対して対抗心向けて、『それは違う』と何度も間違った考えを正そうと悟したんだがな。聞く耳持たずで。で、昨年、帝国が冬が長引いただの食物の病気だのでトリスタンが食料を輸出の為にわざわざ出向いたときがあったろ。その時にどうやら帝国と徒党を組んで、我が王国に何かを仕掛けようと話を付けたらしいと情報が入ってな。我が国の反王政派も何やら怪しい動きをしているところもあるらしくてな。仕掛けて来る場合があるのが、お前が[試練の旅]に出ている最中だという噂だ。)
L(は?俺、旅出てて大丈夫か?城に戻った方が)
R(何、心配いらぬ。我だってまだまだ現役。国内の糞どもの制圧はもちろん、帝国が攻め入って来たら返り討ちにしてくれるわ。そんな訳で、其方が城に帰ってきたらこちら側が何か勘づいていると悟られるだろうからな。此方のことは我達に任せて其方は旅を続けよ。)
L(はぁー。何か昨日から、すげー情報盛り沢山だな。親父、大丈夫なんだな?)
R(おうょ、父に任せとけ。)
L(分かった。また連絡する。何か状況変わったら絶対教えてくれ。)
R(あい、分かった。其方も道中、気を付けてな)
L
ジョナスの背中から手を離して思念を終える。
ルーカスは朝からまた増えた情報にどっと疲れるのだった。
ジョナスを通して父王リカルドとの思念を終えたルーカスは、父王より齎された情報をトレバーとフェルナンドに話した。
F「そうか。王弟様が、そんなことを。」
T「帝国が戦争を仕掛けて来るかもしれない、か。国王様はもちろん、うちの父上も一緒に対策は打ってるだろうが。」
L「俺達が戻ると、此方が何か勘づいていると悟られるから旅を続けよ。と」
Sy「情報交換はジョナス通して今後もするのじゃな?なら旅の続きをせんとな。」
L「そうだな。んじゃ、支度して出発するか。」
T.F「「おう」」
ルーカス達は身支度をしてから出来ていなかった室内の間取りチェックをする事にした。
まず外に繋がるだろう玄関、扉は今 無いからそこにあるパネルを背に向けて、正面に上の階と下の階に向かう階段が有る。
階段の左側の通路奥にある正面のドアを開けるとトイレがあって、通路 左手にあるドアを開けるとリビング ダイニングその奥にキッチン。
二階に上がると通路挟んで右側に三部屋の空室。此処が所謂 其々の寝室になる。
通路左側にもドアが二つあり階段に近い側にトイレ、奥のを開けると洗面 脱衣 奥にバスルームがあって浴槽も設置していて、シャワーしか付いてないモーテルよりハイテクじゃね、と驚いた。
三階もあって行ってみると、通路挟んで右側にトイレとニ部屋、左側に三部屋あった。
地下の見学はまた今度にする事にしてそろそろ出発する。外の様子を確認してドアを開けて外に出て、
昨日シルビーに教わったとおりに木をラーマでタッチし板に戻す。
車を止めていた辺りに小さめのタブレロを置いて、ラーマでタッチする。板が車になり、それぞれが乗り込む。ジョナスはそのまま外に出ていたいらしいので、ネックレスは今、鳥の形に凹みのある白金のプレートのみだ。
車を発進させて出発だ。
Jo:読んでくれてサンキューな。
あー、外の空気は美味いなー!ネックレスのモチーフでレティーツィアの側に居るのも好きだけどな!
次回の話も楽しみにしててくれよ。じゃあな!




