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真加部探偵社

「というわけなんだ」

 真加部は探偵社のパクの部屋で彼女に事の顛末を話している。

 パクはこの探偵社で寝泊まりしている。真加部は別宅があるが、パクはここがマイホームだ。パクの部屋にはパソコンや通信機器がごろごろしている。モニターも4台あり、それらが定期的に何かの情報を収集している。さらにベッドもあり、ここで彼女の生活が完結している。こんな不可思議な部屋で良く生活できると思うが、彼女はここが落ち着くらしい。

「GAOの防犯カメラなら見れるぞ」そう言うとあっさりと画面にそれを映し出す。

 真加部がそれを凝視する。

 室内は明かりを点けていないようで、店内は薄暗い。

 店は壁に向けて周囲にガラスケースがあり、その中に貴金属類が並べてある。店の奥のガラスケースには店員が応対できる様なスペースが設けてあり、実際はそこで客の相手をする形になっている。

 そして今はその店員が応対するスペースに犯人がいる。やはり帽子、野球帽のようなキャップとマスクをしている。さらに黒縁の眼鏡を掛けており、顔がはっきりと見えるわけではない。その男は自分のスマホと格闘しているようだ。何かゲームでもしているようにも見える。店の真ん中にスペースがあり、その床に人質たちが座らされている。紐のようなもので縛られているようだ。

 真加部が確認すると、その中に苦しそうにしている年配の女性がいる。彼女が今回の依頼主の奥方だろう。残りの二人が店側の人間で年配の女性が主人。もう一人は比較的若い女がそれでも30代後半だろうか。

 そして肝心の拳銃だが、犯人の目の前のケース上に置かれている。

「パク、あの拳銃の部分を大きく出来るか?」

 パクがなにやら操作する。キーボードを目まぐるしく叩くと、画面の一部が拡大されていく。そしてモザイク状の画面が徐々にきれいに表示されていく。

「S&W M500じゃん。やばいの持ってるな」

「いや、これ本物じゃないぞ」

 パクが振り返って真加部を見る。「え、偽物?」

「いや、多分ガスガンだ。改造銃だと思う」

「へー、そういうものなのか」

「蓄圧式カートリッジを使ってる。改造すれば殺傷能力もある。今は販売中止になってるはず」

「じゃあ、銃マニアなのか」

 真加部は少し考える。どこかおかしい気がしている。

「パク。宝石でバックとかカメとか付くものあるか」

「無いとおもうな。ちょっとチャットGPTに聞いてみるか」

 画面に表示が出て、チャットが返答する。「やっぱり無いな。亀の形をしているとかはあるけどな」

 真加部は考えてから別の指示をする。

「じゃあ、バック、カメで何かあるか?」

 パクが検索する。

 画面に出た単語を見て、真加部が気付く。

「ああ、なるほど見えてきた気がする。店はGAOだろ」

「だから、どうして?」

 真加部はにやりとする。それでパクが気付く。

「あ、そういうことか、こいつは間違えたんだ」

「そういうことだ。そしてこいつに指示してるやつがいる」

「首謀者がいるってわけか」

「パク、調べてくれ」

 真加部が言う前にすでにパクは検索を始めていた。

 そうしてついにそれを見つけた。

「パク、でかした。これだ。俺は確認する。お前はこいつに当たれ」

「了解」

 真加部は準備をし、リュックをかつぐと出かけていく。

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