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私立探偵 真加部阿礼  作者: 春原 恵志
ミャンマー
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新たな訪問者

 探偵社のチャイムが鳴る。コンビニと同じメロディが鳴っている。

 面倒くさそうにパクが扉を開ける。

 そこには敏腕マネージャー浜辺純璃愛がいた。

「こんにちは」

「阿礼はいないよ」

 迷惑そうな顔でパクは答える。

 そして浜辺の後ろに見たことのない二人がいるのに気づく。高齢の夫婦のようだが、どこか心もとない顔をしている。

「パクさん、こちらは源さんとおっしゃって、話を聞いてほしいそうなんです」

「仕事の依頼ですか?」

「そうなるかもしれません」

 パクは老夫婦を見て、むげに断るのも悪いと思い、部屋に入れる。

 老夫婦はすみませんと言いながら入る。

 ソファに案内すると、3人を上座に座らせて、冷蔵庫からお茶を出す。これは税理士の桑原の教えだ。顧客第一主義だという。

 浜辺が口火を切る。

「急な来訪ですみません。こちらの源様がどうしてもとおっしゃるものですから」

「はあ」

 先日、パクが断った案件なのだろうか。

 浜辺が源夫婦を促す。  

 男性の方が話す。もう70歳近いのだろうか、白髪頭で頭頂部は薄くなっている。

「気になっていることがあります」

 どこか話しづらそうだ。

「実は先日、人から言われて動画を見ました」

 浜辺がフォローする。

「阿礼さんが出たラフストーンコンテストの動画です」

 阿礼がナードの代理メンバー、ピアレスとして出場したやつだ。阿礼のありえないダンスで見事優勝した。

 老人はポツポツと話続ける。

「その中の女の子がどうにも気になって仕方が無いんです」

 パクは、はて、どういうことかと思う。

 今度は母親の方が何かを鞄から出す。

 写真のようだ。

「これを見てください」

 パクがその写真を見る。

 阿礼がなぜかセーラー服を着て映っている。あいついつの間にコスプレしたんだ。

挿絵(By みてみん)

「これがなにか?」

「はい、この写真は私たちの娘です」

「阿礼が娘なんですか?」

「違います。これは娘の京香です。その動画に映った人とあまりに似ているので気になって仕方が無いんです」

 浜辺がフォローする。

「実はこの京香さんは20年前に亡くなっています」

 パクは二の句が継げなくなった。

第9章はここまでです。いよいよ次回は最終章の予定です。ご期待ください。

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