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私立探偵 真加部阿礼  作者: 春原 恵志
ミャンマー
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パクへの伝言

真加部阿礼はミャンマーに向かいます。そこには彼女の誕生の際の産科医師がいるはずです。自分のルーツを探る旅が続きます。

 真加部は代理母のナパをブラックスワンのエージェントに預けた。

 ブラックスワンは世界各地にエージェントがいる。バンコクにも拠点がある。ナパを預けたのはそれがもっとも安心できる方法だからだ。彼らはボディガードのプロだ。

 そして明日はいよいよミャンマーに入国する。

 ミャンマーは入国に際し、e-Ⅴisaというネットでの入国手続きができる。本来は取得までに3営業日はかかるようだが、観光ビザにすると24時間で入手できた。

 バンコクのホテルからミャンマーへ入る前に再度、パクに連絡する。

「パク、カイン州ってところは種族ごとに言語が違うらしい」

『そうらしいな。それでガイドは見つけたのか?』

 さすがの真加部もビルマ語までは話せない。ましてやカレン族の言語は種族間でも通じないほどの違いがあるそうだ。それで昔、カイン州に住んでいたというガイドを雇っていた。

「明日、メーソート空港で会うことになっている」

『そうか、ミャンマーは戦闘地帯だ。気を付けろよ』

「ああ、文伍の教えは守るよ」

『そうだな』

「パクはどうなんだ。文伍からよく言われてただろ。もっと積極的になれって」

 パクが黙っている。

「何かあったのか?」

『ゴミと会うと緊張して話が出来ない』

「ああ、そういうことか。うーん、俺もそういう経験がないから、何とも言えないけどな。パクはイケてると思うぞ」

『イケてるか?』

「ああ、パクが思うよりいい女だし、もてると思うぞ。それこそネットの情報を駆使すれば、今風の女子像を作れるだろ」

『まあな』

「それにな。まだ若いんだから、ゴミに振られてもすぐ次が見つかるさ」

 初めから振られる前提で話をするのはどうかと思うが、真加部流のフォローなのだろう。

『明日、江古田署から呼ばれてるんだ』

「へーなんだろうな。仕事の依頼か」

『そうらしい。会って話したいそうだ』

「そうか、俺がいなくてもパクがいればなんとかなるってことだよ。どんどん稼げよ」

『まあ、がんばってみるさ』

 幾分、前向きになったパクがいる。

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