パクの恋
少し間隔が空きましたが、真加部阿礼の第5章です。
ここでいよいよパクミンヘの過去が明らかになります。
彼女の正体は何なのでしょうか、なんとなく知ってましたか?
真加部阿礼はいつものように探偵社で仕事中だ。
彼女は当然、肉体派でデスクワークは好きではない。探偵業であるからにはやる必要はある。ただ仕事は早い。恐らく常人の3倍から5倍で作業できている。
報告書をまとめ終わり、時間を確認すると、もう昼になっていた。
真加部はパクの部屋に入る。
「パク、昼はどうする?」
慌ててパクがモニターを消す。ただ、真加部の動体視力にとって、それは無駄というものだ。
「ゴミ見てるのか」
ゴミとは江古田署の駒込巡査長のことである。パクが見ていたのは最近、巷に出回っている駒込の隠し撮り動画である。まるでどこかのアイドル並みにこういった画像が出回っているのだ。
「こら、急に入ってくるんじゃない」
真加部は物知り顔でパクのそばに来る。
「パク、ゴミが好きなのか?」
「そんなんじゃない。ちょっと興味があるだけだ」パクは真っ赤だ。
「興味があるということは、気になってるんじゃないか」
パクは返事をしない。図星のようだ。
「よし、じゃあ、ゴミと飲み会でもやるか」
「飲み会?」
「お食事会とでもいうか。実際、あいつには借りがあるから何とかなるぞ」
「いや、別にどうでもいいけど」パクはもじもじしている。
「パクはもっと積極的になるべきだ。今時の女子はガンガンアタックするらしいぞ。それにパクはイケてると思うぞ」
「イケてるか?」
「ああ、十分可愛い」
「そ、そうかな」
「ああ、じゃあさっそくブッキングしてくる」
パクが何か言いたそうにするも、真加部は外に飛び出していく。頭よりも体が動くタイプである。




