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エピローグ
その二日後、大森調整池から遺体が見つかったという。
征矢野が自供した。佐橋はバイクに?がれたまま白骨化していたそうだ。
真加部は自分の席に座ってぼんやりとしている。
奥の部屋からパクが出てくる。
「阿礼、お前の母親が見つかりそうだぞ」
真加部は固まったままだ。
「聞いてるか、もう忘れろ。仕方ないことだ。征矢野が望んだことだぞ」
「ああ」
「100%の成功率は維持できた」
「そんなものはいらない」
「性犯罪の再発率は高いんだ。特に対象が幼児の場合は8割近い。征矢野は間違っていないぞ」
「性犯罪者は生殖機能を無くせばいいんだ」
「まったく同意だ。人権なんか糞くらえだ」
パクが我に返る。
「ああ、阿礼、母親の情報は要らないのか?」
「え、見つかったのか?」
「まだ、はっきりしないところもあるが、間違いない」
「そうか」
「会ってみるか?」
「そうだな。文伍との約束だしな。もう少ししたらそうするよ」
「わかった。もっと情報を集める」
真加部は再び遠い目をしている。




