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衛星ハック

 真加部は配達(なんの?)を終えて、探偵社に戻って来る。警視庁から新井薬師前など、ものの30分である。約12㎞の距離だ。

 パクの部屋に入ると、彼女はまだ、パソコンに向かっている。

「どんな感じだ」

 パクは返事をしない。集中している時は何も入ってこないのだ。

 あきらめた真加部は自席に戻る。そしてこれまでの事実を元に事件を反芻する。

 これは真加部の基本的な進め方だ。事象を元にある程度の推論を固めていくことになる。今後はそれを元に証拠を集めていくのだ。

 パクの部屋から朝鮮語で叫び声が聞こえる。

 真加部が部屋に入る。

「阿礼、出来たぞ」

「おお、やったな」

「これが指定場所の画像だ。まだ、元画像のままだが、これから画像解析を掛けるから、もう少しは鮮明になる」

 そういうと、パクがモニター上に航空写真のようなものを見せる。

「現在の鮮明な航空写真はあるから、それを参考にして多少は見やすく出来る」

 画像は動くものでは無く、静止画が連続して表示される。

「まだ、動画は無かった時代だな。一定間隔で記録されているのか」

 道路が見える。そして何かの固まりのようなものがある。

「あれは何だ?」

「多分、道路に車があるのかな。連続してみると動いているのがわかる」

 その固まりが道路を進んで行っているのがわかる。そして静止した。

「止まったのか?」

「そういうことだ」

「ちょっと待て、本当に車なのか?」

「ここまでの大きさのバイクは無いだろうな」

 道路脇には広場のようなものが見えている。

「あれは公園だよな」

「そうだな。位置から言うと弁天池公園というやつだろう」

 画像は続いていく。車らしき固まりはそこから戻っていく。

「車が戻っていくな。じゃあ、事件とは無関係なのか」

 パクは特に意見を言わない。まあ、パクの仕事はここまでなのだから、意見は必要ないのかもしれない。

「まだ、見るか?」

「そうだな。もう少し見るか。で、バイクはあったのか?」

「そこまではまだかな。車と比較すると小さいからな。もう少し周辺を含めて解析させてくれ」

「わかった。ああ、バイクは青色だ。犯人も青い服を着てたから、すべて青だったはずだ」

「なるほど」

 静止画が続いていく。パラパラ漫画のような絵だ。

 そしてその後、変化はない。さて、ここまでかと思ったら、再び固まりが映ってくる。

「パク、あれは車だよな」

「そういうことだ。同じ車だ」

 そうして二人は画像を見続けていった。真加部は事件の核心を掴むことになる。

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