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デュークの思い
翌日の夕方。ひまりと阿礼がデュークを連れて佐橋家に向かう。
阿礼は気付いたことの実証をするのが今回の目的である。
佐橋家前に到着する。
ただ、今回は佐橋家に挨拶はしない。内緒でこのまま作業を始めるようだ。
阿礼が言う。
「これから、デュークに捜索をさせる。ひまりは彼が何を思っているかを掴んでくれ」
「わかりました」
阿礼は昨日と同じように例の毛玉をデュークに嗅がせる。
嗅ぎ終えたデュークは上目遣いで阿礼を見る。
阿礼はうなずいて「サガセ」と指示した。
デュークが動こうとする。昨日と同じでやはり家に向かおうとする。
「ひまり、デュークの考えを聞いてくれ」
はい、と言ってデュークの頭に自分の頭を当てる。
しばらく意思の疎通を図って目をむいた。
「あ、阿礼さん…」
阿礼はひまりから話を聞く。
やはり自分の考えが正しかった。




