確認
真加部は何故か新井薬師前周辺を回りだす。
まずはディスカウントストアだ。ここは家具、アクセサリー、電化製品などの中古品を扱う、区内でも割と大きな店舗だ。2階建ての倉庫上の建物にたくさんの中古品が並べられている。店に入りきらない電化製品は店の前まで出っ張っている。
真加部はするすると店に入ると、近くにいた男性店員に質問する。
「江古田警察署のものだ。今、調べ物をしている」
店員はこの小さな女が警察官だというのに不審顔だ。
かまわず真加部は続ける。
「こちらでバッグの万引きは無かったか、おそらくつい最近だ」
このことで男は真加部を刑事と思ったようだ。
「ええ、そうです。昨日やられました」
「プラダのカナパだろ?」
「ええ、そうです。え、犯人を見つけたんですか?」
「今、捜索中だ。悪いな。また、後で連絡する」
そういうと店員が話を聞きたそうにしているのを無視して、店を後にする。
真加部は次に駅前の量販店に行く。ここでも同じように万引きが無かったかを確認すると、やはりゲーム機が無くなっていた。真加部が言ったものと同じゲーム機が万引き被害にあっていた。
さらにその近くのむさしの質屋へ行き、腕時計の万引き、中古モバイル店でスマホの万引き被害も確認する。
やはり真加部の考えが当たっていた。
ここでパクに電話する。
「パク、突き止めたか?」
『ああ、発信先を突き止めたぞ』
「よし、でかした。じゃあ」そう言ってパクに指示をする。
真加部は時間を確認すると、「よし20分後に開始だ」
そう言っていよいよ現場に向かっていく。




