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2.チームワーク

今日、俺たち『ビギナーズ』は集合し、シャドーウルフ討伐のクエストに挑む。


今俺たちは、シャドーウルフの生息地である、街から離れた洞窟の前にいる。決起集会だ。


「みんな、準備はいいかい。」


全員が首を縦に振った。心の準備なら、昨日までに済ませてきた。


「ま、あたしの短剣に任せてよ。」


「リンツはすぐ大口を叩くんですから・・・」

シスタの手厳しいツッコミが入り、みんなはクスッと笑い合う。


パーティのみんなと談笑して、かなり緊張をほぐすことができた。リンツに感謝しとこう。


そして、一行は洞窟へと足を踏み入れた。



―――洞窟の中は、かなり暗かった。この環境でシャドーウルフと戦うことなどできるだろうか。松明を持っているとはいえ、十分な明るさではない。

いや、弱気になっても仕方ない。

今はただ進むだけだ。


しばらく進んだ頃。

「魔物の気配がする。」

ロックがそう言い、盾を構えた。


「前に3体います!」


「僕らの後ろにも2体いるぞ!」


「ちくしょう、いきなりかよ!」

リンツが大声を上げた。しかし無理もない。

まずいな、いきなり挟み撃ちか……。俺たちは臨戦態勢をとる。


「ロック、シスタ、リンツで後ろの敵を頼む!」


「前の3体はどうする。」


「僕とトオルで食い止める!」

え、まじか……省エネできねーな。


後方の敵担当の3人は早速戦闘を始めた。

連携がよく取れている。

3人にはなるべく早く倒してもらって、こっちを手伝ってもらいたい。


前方に3体のシャドーウルフ。


「レインさん。俺たちはどう戦いますか。」


「君が後方から魔法で牽制してくれ。敵が怯んだ隙に僕が剣で差し込む。」


「なるほど、了解です。」


前方のシャドーウルフはグルル、と今にも噛みついてきそうに唸っている。


「よし・・・いくぞ!」


レインの掛け声を合図に、俺は《かまいたち》を唱えた。


以前草原で試したよりもさらに速く、強靭な風の刃が前方のシャドーウルフに向かっていく。

3体それぞれに命中し、四肢を欠損させた。

致命傷には至らないが動きを鈍らせた。


「レインさん!」

俺はそう叫び、攻撃の合図を出した。


レインは素早く敵の懐へ入り込み、華麗な剣技で3体の首を斬った。


見事だ。リーダーなだけある。

後ろの戦闘が終わるのを待つまでもなかったな。


「ふう・・・」

レインは疲れたように剣を鞘にしまい込む。


その瞬間。


後方のシャドーウルフがレインに飛びつく。


「レインさん!」

シスタが背後から叫ぶ。レインが剣を抜こうとするが間に合わない。


俺が、やるしかない。


《火球》

を唱え、シャドーウルフを燃やした。

あぶね、間に合ってよかった。


倒せるとは思っていなかったが、後方の3人が瀕死まで追いやってくれていたようだ。


「ごめん!あたしがトドメを刺そうとしたらそっち行っちゃって・・・」

と、顔の前に手を合わせてリンツは謝った。


「大丈夫。トオルが守ってくれたからね。」

レインは俺の方を見ながら言った。


「本当にありがとう。命の恩人だよ。」


「いえ、近くにいたのが俺だっただけです。」

事実だ。俺でなくとも、守ることはできた。


「だとしてもだよ。やっぱりトオルをパーティに迎えて良かった。」


「ありがとう・・・ございます。」と、遠慮がちに俺は言った。

そんなに褒められることはしていないからな。


「あの《火球》、とてもお上手でしたよ。」

シスタが俺の魔法を褒めてくれた。可愛いなあ。そう俺を持ち上げないでくれ、調子乗るから。


「ああ。実に見事だった。」

「カッコよかったよ!」

と、ロックとリンツも俺を褒めてくれた。

なんていいパーティなんだ、『ビギナーズ』は。


俺たち5人は目標のシャドーウルフ5体を倒したので、牙を集め、ギルドへ持っていった。


最後の俺が倒した1体、牙ごと燃え尽きてないか心配だったが、どうやら奴らの牙は不燃性らしい。


―――ギルドでの手続きが完了し、報酬の30000Gを5人で山分けした後、なんだか帰る気になれず俺たちは例のファミレスで打ち上げをした。


「でさー、そしたらロックがー」

「そんなことを言ったつもりはない。」


など、ガヤガヤととても賑やかで楽しい時間を過ごした。


俺は宿に帰り、たまたま会ったリースと今日の出来事を色々と話し、入浴後泥のように眠った。

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