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1.転移

俺は省エネで究極の面倒くさがりな男子高校生だ。

なぜそんなに怠惰なのかって?


この世の中がつまらなさすぎるからだ。

つまらないものに時間や労力を割きはしない。

俺だって、この世界を楽しめるのであれば楽しみたいものだ。


はぁ・・・なんて退屈な毎日なのだろう。

高校では何かあるかもと期待に胸を膨らませ入学した頃が懐かしい。


結局、中学も高校も同じシナリオだ。

神様が勝手に俺の人生の昨日と一昨日を入れ替えたとしても未来には何の影響も及ぼさない。

観測するまでもなく、箱の中身は猫だと分かるのだ。


―――と、そんな風に己を虐げ授業の時間を潰していたところ、何やら教室の床を覆うほどの円周をもつ魔法陣が足元に現れている。


「ちょ、なんだ!?」「キャーー!」「みんな教室から逃げろ!」「ドアが開かない!」


クラスメイト達の慌てふためく喧騒が耳を刺激する。

まったく、魔法陣くらいで何をそんなに。


そういや、この状況には覚えがある。

確か、中学生のときに読んだラノベに似たようなシチュエーションがあったな。

それと同じならば、俺たちはあと数秒で異世界に転移する。


そうか、異世界か・・・


正直気は進まない。どうせ退屈だろうなと思う。


身体が消えかかっていく。

そろそろ転移するだろうか。


どんな世界に飛ばされるのか知らんが、俺は可能な限りだらりと暮らしたい。


―――しかし、もし、今から行く異世界が刺激に満ち溢れているものなら。

俺が時間や労力を惜しまないほどの楽しい毎日が待っているのなら。


全力で生きてみてもいいかな、と思う。



こうして、あらゆることに消極的で省エネで事なかれ主義の俺こと、

矢坂 透の異世界生活が始まる。

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