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官能小説家 咆哮記  作者: 余次元
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清楚はどこにいった

 そんなチーズはどこにいった、みたいに言わなくても。という文章を書きたくてタイトルを決めた。


 まぁ、それはどうでもよくて、清楚はどこにいった、それが問題だ。


 私は、この命題の前で何時間も指を止めていた。直しても直しても、蛇足が増えて行くだけだった。


 どういうことかというと、清楚な少女が、偶然の出会いを通して自分の性に目覚め、そして変わっていく、というストーリーを書こうとしていたのだけれど、書いた文章を読み直してみたら、文章には清楚って文字が幾つか散らばっているだけで全然清楚じゃないのである問題なのである。清楚じゃないどころか、陰獣!痴女だ。変態っ!この変態っ!


 まぁこんなふうにIQが下がっている時に、股間をいじりながら文章を考えると失敗してまうというだけなんだろうけれど、今更これどうしたらいいんだろうというくらい文章が出来上がってしまっている。話自体の不整合をなくすために、結構加筆もした。その時よりかはなんぼかマシではあるんだろうが、加筆のおかげで清楚さよりも痴女度が際立っている。加筆の前は、清楚は頭の中にしか出ていなかったくらいだった。


 なんで、清楚にしたいかというと、ただ少年が痴女に襲われる話だとサイコスリラーになるけど、わたしが書きたいのは、官能小説、ラブのストーリーだからだ。主人公と少女との偶然の出会いをドラマチックなものにしたいのだ。そして、ラブストーリーなのだから、その偶然の出会いが二人を変化させていくの!くやしい!涙がでちゃうっ!

 話飛んだな。えー、つまり、元々清楚な少女が、少年と出会うことで、彼のことをもっと知りたいと望むなかで、清楚とは逆の方向に成長する。そのふり幅に人は感動するんだと思っているんですよ。

 わかってんですか?なんですかこれは?文面にいるの自称清楚な痴女しかいないでしょ。大体、単語で清楚って書いたからって、清楚感じませんよ!!


 もう、なにも言い返すことはできない。しかし、すぐになにか良い文章が思いつくわけでもない。なにか清楚なエピソードをひとつ挿入することにしよう。そう思うと、わたしはノートパソコンをそっと閉じた。

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