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官能小説家 咆哮記  作者: 余次元
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フィクションの欺瞞

 ハクがでてこない「千と千尋の神隠し」を見たいかみたいな話の延長に、エンターテインメント、フィクションを考えている。


 ハクのような都合のいい助っ人が主人公に現れるか?

 でも、それで助っ人も来なくて潰れる主人公の話を見たいか?(まぁ、他の方法で乗り越えるというストーリーになるんだろうけど)という話もある。

 人生の辛い時に、適切にフォローしてくれるように人生にはなってはいないかもしれなけれど、辛い時には支えて欲しいよね。フィクションでくらい赦されていいのではないか、と思う。


 「七人の侍」だって、そんな都合の良い侍がいるか、と言ってしまえばフィクション終了である。「国土が荒廃する時代に、そんな侍がいた」というフィクションが最初にあって、物語が始まるのである。


 その「都合のよさ」をどれだけ盛っても赦されるかという匙加減の話で、先述の映画から一般に「なろう系」で括られるストーリーや官能小説に向かって、「都合のよさ」「甘え」みたいなものを足していくと、ポルノと言われるものに近づいていくんだと思っている。

 需要する側の構えが、「そんなものは俺のリアリティラインを超えている。ダメです」と言えば、終了だけど、それは人それぞれで違うので、許容できる人だけが許容しているんだろう。


 正直、個人的には お前ら転生し過ぎだろ、とは思っているが、自分向けの作品ではないので好きな人は読めばいいと思う。まぁ、そこらへんは今日はどうでもいいんだけど。

 一般的なファンタジーを含むフィクションとポルノはグラデーションで繋がっている。黒まで行けば、黒だとわかるが、どこからが黒かというのは、人それぞれ違うだろうという話だ。


 そして、需要する側がフィクションだと理解している限り、規制されなくてもいいのではないかと考えてはいるが、童貞を拗らせると、女はすぐに潮を吹くものだと思ってしまうし、痴漢や強姦でも女は嬉しいんやろと思い込んでしまう。女性側も何がしかを拗らせてアタマおかしくなっている人はTwitterでたまに見るけど、似たようなもんなんだろう。


 フィクションは所詮フィクションなんてことを言うつもりはない、

 フィクションで勇気をもらって、なんとか生きてきた。だから、フィクションが自由であってほしいとも思っている。内心の自由ってやつだ。目の前の高飛車な女を自分のもので屈服させたいという下世話な気持ちを現実に出すわけにはいかない。

 しかし、フィクションがフィクションであるとわかるとか、自分の認識と社会の認識のずれを知覚するとか、そういったことのためには、社会経験や社会性が必要になってくるんだろう。たまに社会に適合できなかった人がニュースになる。かなしい。


 話を元に戻すと、最初の設定におけるフィクション「国土が荒廃する時代に、そんな侍がいた」というものに更に、都合のよさを重ねないのが、「七人の侍」だったとして、次のフィクション重ね崖「〇〇〇」がどの程度のものなら、書き手の、また読み手のリアリティラインを超えてこないだろうか、ということは考えている。

 強姦ものを書く時は、被害者はしっかり苦しむ様子を書いてあげたいし、気持ちが変わっていくのならその経緯を書いてあげたいと考えている。欺瞞ですか。まぁ、そういうものなんでしょうね。

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