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黒の空が明けるまで  作者: Alice
7/11

帝国軍の女軍人

【5人目】

フェリオと手を繋ぎ、屋敷に帰ると父が呼んでいるとメイドに言われた。ノアにフェリオを預けて父の書斎の前に向かう。ノックしようとすると、その前に 「入れ」と声がした。


部屋に入ると父が書類を差し出してきた。それを受け取ると「最近活発になっていたイデフ率いる盗賊団のアジトが我が領地にあることが判明した。明後日合流し、帝国軍と共に共同で殲滅をと王命があった。全指揮はリテルシア、お前が取れ。以上だ」と言った。リテルシアは父に「承知致しました。」と言い部屋を出る。



ドアの前で待機してたゆづきを連れて明朝ここを発つことをつげる。部屋に戻るとノアが静かに近づいてきた。

フェリオは、と聞くとノアは入口に背を向けたソファを指さす。ソファを除くとフェリオがぬいぐるみを抱きしめて寝ていた。


ノアは盗賊のアジトと構成員と明後日の配置場所などをまとめた書類を渡して、「それじゃ、ちょっと出てくるね〜!」といつもより静かな声で窓出ていった。いつも何処からか入って来ては大きく明るい声で話をし窓から出ていくノアが珍しく静かにしているのはフェリオを起こさない為だった。


父に呼ばれてから2日後の日の出前に盗賊の討伐隊が集まる。元々スコルドが指揮を執るはずだが来ていないことに帝国軍側は混乱していた。


「本日参加出来ない父、スコルド・チェーロに代わりリテルシア・チェーロが盗賊イデフの討伐隊、全指揮を取ります」と机の前に立ち、言った。15の自分よりもほとんどが年上であるが気にすることなく堂々だ。


参加する討伐隊は個人で動くリティ、ゆづきとチェーロ家の戦闘部隊2部隊、帝国軍8部隊、全10部隊で動く。

父からの指示は殲滅であるため、1人も逃が差ないようにアジト周辺と逃走用の道を重点的に部隊を配置した。リティとゆづき、第8帝国軍 が先陣を切る。

圧倒的な速さで部隊を引き離してしまったが、アジトの最奥に行くのが優先。待つことなく先へ進む。

リティに続くのが専属メイドのゆづきと、第8帝国軍の3席のシャルロッテの2人。

シャルロッテは女性でありながら男性の多い帝国軍で第8の3席を任される程優秀であり、リティの速さについていけるだけの実力もある。



『盗賊団頭イデフの首、及びその部下の殲滅が完了。事前書類の人数を確認。被害報告、怪我人は後遺症の無いものと判明。死者0。過去の被害情報より盗賊団の人数が少ないと思われる。』



全作戦が終了し、チェーロ家の部隊は屋敷へと戻った。帝国軍は帰路に着くための準備を始めている。そん中、先程一緒に戦ったシャルロッテで走ってくる。何事かと思うとそのまま徐ろに膝をつき頭を床にぶつける。「貴女の戦いぶりに一目惚れをしました。第8帝国軍3席としてでは無く、貴女の部下としてこのシャルロッテを傍に置いてくれないだろうか!」と言った。


そんなシャルロッテに対しリテルシアは彼女に手を差し伸ばして立ち上がらせてから、「飼い犬に興味ありません」と一蹴りにした。そしてゆづきを連れて屋敷へと戻った。



数日後、屋敷の門を叩くものが居た。リテルシアを呼んでいると門番から連絡があり向かうと、シャルロッテが居た。彼女は「軍の地位を捨て、野良となりました。貴女の元に置いてくれますか?」と言った。

ノアは笑い出し、ゆづきは嫌な顔をする。あまり笑うことの無くなったリテルシアもこの時は困ったように笑っていた。

「ようこそ、チェーロ家へ。リテルシア・チェーロです。よろしくお願いします」と手をさし伸ばす。

「シャルロッテです。これより先、リテルシアお嬢様に忠誠を誓います。」

と手を取り微笑んだ。


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