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黒の空が明けるまで  作者: Alice
6/11

孤児院の少年

【4人目】

15になると、領主である父の代わりに領地視察へ出ることになった。前線での戦いと領地管理と忙しい日々が始まった。リテルシアがまず初めに引き継いだのが、領地にある孤児院の管理だった。

表向きには孤児院の経営状況の確認等、本質はチェーロ家へと入れる人材探し。身寄りのいない子供をチェーロ家へ入れ戦闘部隊の見習いとする。幼い頃から戦闘訓練をしている方が下手な大人より扱いやすいからだ。


領地には複数箇所孤児院があり、全ての視察へ向かう。お供にゆづきを連れて行き、出入口で待機してもらっていた。

全て回り、最後ひとつになる頃には日暮れ時だった。今日の視察では以前父と訪れた時と人が変わっておらず、いい人材が見つからなかった。最後の孤児院は協会だったので、管理者はシスターだった。

彼女に話を聞くと、新しく入った子が1人いる。シスターが路地で見つけたという。服装からしてこの領地の子ではなく、おそらく別の領地の孤児院から逃げ出してきたのではないか、と言っていた。

シスターは、成長状態からして7か8くらいの男の子と教えてくれた。1目見ておきたいというと、裏庭の大きな木の下まで案内してくれた。

リテルシアは光の宿らない目をした少年をあの頃のゆづきと重なり、少年の前で膝をつき頭を撫で「リティと一緒に行きませんか」と静かにいった。また来るからその時にでも返事を聞かせて欲しいとも。


孤児院の確認が終わり、帰ろうと出口へと向かう。少年はリテルシアのスカートを少し引っ張った。どうしたのかと聞くと、「一緒に行きたい」といった。


リテルシアはシスターに連れて行くことを説明し、少年に名前を聞いた。

「僕は…フェリオ。」


出入口で待ってるゆづきと合流し屋敷へと向かう。行きは馬車で移動していたが、帰りは途中まで徒歩で帰ることとなっていた。


屋敷への帰り道、大きなぬいぐるみを抱いて微笑ましい家族をみかけた。子供が好きなものなど分からないリテルシアは近くにあった売店でぬいぐるみを買い、フェリオにあげた。 フェリオはもらったぬいぐるみに顔を埋めていた。

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