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黒の空が明けるまで  作者: Alice
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2人の情報屋

【主治医】

とある日、父はレヴィツキーという青年を連れてきた。屋敷内で薬剤師として動いていた母の代わりに連れてきたという。6歳になれば薬毒耐性を付けると決まっていたためレヴィツキーをリテルシアの主治医として命じ、その薬毒耐性を付けるための実験が他にバレぬように秘密裏に行われた。彼は領地の街で調合師として働いていたという。調合師、つまり薬毒の専門である。医者ではないが医療の知識はそこらの町医者より圧倒的に上である。

その為表向きに主治医として雇われたのだろう。

それからは様々な毒を少しづつ体に馴染ませる訓練が始まった。毎日刺したり飲んだりと痛く苦しい生活ではあった。それでもこの先、生きていくためにと懸命に堪えた。

レヴィツキーはとても若い姿をしてるため、よく子供に間違われる。その度、「俺は成人済みだ!!」とキレる。年齢を聞かれ、「少なくともお前より上だ。」と言ってるところをみたことがある。彼は元々、凄く口が悪い。リテルシアに話す時も敬語を使わない。リテルシアも気にしないからそのままにしている。



これまで父から渡される使用人はリテルシアについていれば次期当主の立ち位置が利用出来ると、何人も志願してきたが、その都度、戦場でついていけず命を落とすか、そんな生活に耐えかねて自身から去るかのどちらか。残っているのも極小数であった。しかし、この青年は父からの信頼もあり、調合師としてとても優秀で、なおかつ情報屋としても腕が経つ。

元々父の御用達の情報屋であった 。町医者にしておくのは勿体ないからその技術を買ったのと父はいう。買ったが奴隷ではない。協力者のようなものだ、と。


レヴィツキーは昼はリテルシアの薬毒耐性の訓練と経過観察、夜はスコルドの情報屋として働く忙しい日々が続いた。これまでの何倍もの給金があるため、そして自分の仕事のプライドがあるから。一切手を抜くことなく仕事に励んだ。



【3人目】

レヴィが来てから1年程経ち、毒薬にも耐性がついてきた。リティの7歳になる誕生日に、そろそろ“情報屋”の使い方がわかってきた頃だろうと父は言い、少年を連れてきた。「ノアだ。上手く使えよ」と父は言いそのままノアを置いて自室へ戻った。



ノアはリテルシアよりは年上だが、それでもまだ子供の域を出ない。それでも情報屋としての仕事がかなり優秀だった。どの情報屋より早く正確。すぐにリテルシアの信頼を掴み取った。情報屋としての信頼をだ。


生まれた時から戦闘に身を置いていたリテルシアと手合わせでき、戦える人は父の主力部隊くらいになっていた。しかし、主力部隊は基本前線に出ているため、手合わせしてくれる人が少なかった。

1度手合わせをする機会があった。その時、ノアはリテルシアと互角以上で戦えることが分かった。それから何度も手合わせし、腕を磨いた。



そんな日が何度も続くとリテルシアはノアに心を開いていった。ノアのことを家族のように思うようになっていた。信頼してるからこそ、全力で殺し合えるような。

戦闘訓練の相手を頼んだり、苦手な食べ物をあげたりと本当の兄妹のように過ごす姿が見られることが度々あった。


ノアも最初は当主の命令で、一人っ子のリテルシアが寂しくないように兄のように接せよと、言われ来ていただけだったが、今ではリテルシアが可愛くて仕方なくなっていた。可愛い妹のようなリテルシアのわがままであればどんな事で聞いてあげたいと思えるようになった。

それからはリテルシアに害になるような情報は秘密裏に処理したりと暗躍をし始めた。





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