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故郷を失った少年、最強絵画の少女とともに冒険者をする (打ち切り)  作者: いちかわ
スペリラの最後に思い出を~なんでもアリのホッケー対決~
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第65話 なんでもアリ!? ホッケー対決!・1

『それでは……始めるのだ!』


アナが静かにパックを俺たちの陣地へ滑らせる。

最初は様子見ということで普通の攻撃。

マレットを持つ手に力を込め、パックを弾く。


「エル……つまらない。せっかくのルール無用。ベルのお手本を見せる。」


ベルはそう言うと、パックを弾きながら指をパチンと鳴らす。

パックはフィールド内を反射しまくり、その度にベルお得意の花火が爆発する。

カラフルな色と光で目がチカチカする……!

視界を塞ぐ作戦か!


「そんな簡単にゴールできると思えへんことや!」


メディアスは背中の足から目にも止まらぬ速さで糸を射出し、パックを防ぐ壁となる。


「お返しやで!」


糸にバウンドする形でパックが発射された。

反射して勢いを増したパックのスピードを利用した攻撃だ。


「それなら次は私の番!」


メアリスはスプーンを取り出す。

そして……思い切り振りかぶる。


「えぇぇぇぇぇぇえい!!」



──────パァァァァァアン



鼓膜を破るほどの音をたてながら、凄まじい勢いでパックが飛ぶ。

目に見えないほどのスピードだ!


「だが……」


伊達にここまで戦ってきたわけじゃない!

対応できる!


「嵐のマレット・残留!」


俺はマレットに風属性魔法を付与する。

俺は飛び上がり、パックを思い切り打つ!!


「ぐっ!?」


重い! 重い! 重すぎる!

重いが、やるしかない!

俺はマレットを握る手に更なる力を込める。


「はぁぁぁぁぁぁ!!」


気合いの咆哮を上げ、正面からパックを打ち返す!


「ハードプロテクション・チェイン・スピードストライク。」


ベルはパックを防御魔法で防ぎ、魔法で打ち返す。

精霊族であるベルの高火力な魔法を受けたパックは物凄い勢いで加速する。


「まだまだ、この程度なら防げるで!」


メディアスは再び糸を射出し、パックを受け止める。

そのまま打ち返す、と思いきや……


「ここはこうやな!」


パックを糸でぐるぐる巻きにする。

そして、ぐるぐる巻きにしながらメディアスは糸でパックを作っている。


「分身の術や! どう防ぐか見物やな!」


そう言い、数十のパックを放つ。

流石なんでもアリルール。

本当になにをしても問題ないようだ。


「そっちがそうくるなら……カレット、ザック、アンドリュー!」

「任されたよー!」

「あはは、僕の出番かな?」

「お、俺もやるのか……?」


ブローチからカレット、ザック、アンドリューが飛び出す。

合計五人による防衛だ。


「あはは、千刃鴉(せんばがらす)・お遊びバージョン」


ここでザックの必殺技、千刃鴉が放たれる。

小さな魔力のこよりが放たれ、パックに激突。

パックは破壊され、こよりは二つに増える。

それを繰り返し、こよりはどんどん増えていく。


ちなみにこのパックはアナの力で破壊されないようになっているので、並の攻撃では本物のパックは壊れない。

つまり、壊れないパックが本物ということだ。


大量に増えたこよりは俺たちの視界を埋めつくす。

直接攻撃だけは禁止されているので、そこで終わりだが。

さて、魔法でこれを消して……


「ブーゲンビリアのさくらんぼ!」


カレットから魔力で作られた、紫みのある紅色の果実が放たれる。


これは確か……魔法を吸収する妨害効果付き……!


魔法が使えない!?

魔法以外に迎撃に使えるもの…………


「っ!?」


突然頭に電気が走る。

なんだ……?

…………!


頭になにかが浮かんできた……

よく分からんが、これを使おう!


「はぁっ!」


なんと、俺の指から糸が射出された。

戸惑いを切り捨て、糸をザックの魔力のこよりを絡めとるようにコントロールする。


視界がクリアになると、相変わらず凄まじいスピードでパックが滑る。

俺は素早くそれを打ち返そうとすると……


「えっ!?」


なんと、なにもないところで反射した。

まさか…………!


「アンドリューの硝子……!」


硝子の彫刻品であるアンドリューが作り出した硝子の破片にぶつかり、反射したのだろう。

視界が塞がっている間に……やられた。


俺は想定していないパックの動きに数瞬反応が遅れる。

でも……これはチーム戦だ。


「うちには見えてるで! ほいっ!」


メディアスは糸で素早くパックを打ち上げる。

そして、いつの間にか張りめぐされていた糸でバウンドし、不規則な動きを見せる。


ほんの少しの狂いが効能を変える薬。

メディアスはそれを作るプロフェッショナルだ。

目が良くないわけがない。

硝子も見えていたのだろう。


「メアリス。あれ出して。バット。」

「了解! ドロウ!」


メアリスは銀色に輝く、丸みを帯びた棒を生み出す。

アクスの大剣よりも少し小さい程度だ。


「かっとばせー。ベールー。」


ベルは正確に弾道を予測し、銀色の棒を振る。

カキーンと良い音をたて、豪速球……いや、豪速パックを飛ばす。

俺は魔法が使えないので、糸でネットを作り、パックを受け止める。

糸はかなりの強度があるようで、一本もちぎれることなくパックを跳ね返す。


「むぅ。中々決まらない。」

『よかった』『続きが気になる』など思っていただけたら、評価やブックマークをしていただけると、すごくうれしいです。

毎日投稿してますので、是非また次の日に見に来てください!

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