第59話 魔王の……
「それも……魔王クラスのものじゃろう」
「「「!!?」」」
「ふぇ?」
メアリス以外の全員が驚いてミレーユさんの方を見る。
ミレーユさんはそれを見て慌てるように話し始めた。
「ま、待て! 魔王クラスとは言ったが、魔王によるものではない! 小さな力を大量に集め、凝縮したもののようじゃ」
「そうなんですか……驚かさないでくださいよ全く…………相変わらず変に遠回りする人ですね」
「そ、そうツンケンするでないわ。確かに今のは妾も少し……ほんのり反省しておるし」
「こりゃ反省しとらんわ」
軽くクロイツさんとメディアスが呆れる。
ミレーユさんはそれから目を逸らし、また話し始める。
「妾は十年間目覚めてることができなかった。更に、その時すでに妾は敵の手に落ちていた…………この意味、分かるかの?」
「……魔王の復活。」
「流石精霊族じゃの、その通りじゃ」
「……ベルはまだ精霊族と言っていない。なぜ分かった?」
ベルは魔法を解除し、光の羽が出現した。
ミレーユさんはそれに苦笑しながら答える。
「見ればわかるわ。妾が何年魔女やっとると…………んん……?」
ミレーユさんがググッとベルの顔に近づく。
ベルは戸惑うように無表情のまま首を傾ける。
「……どうしたの?」
「…………今はよいわ、気にしないでおくれ」
そう言い、ミレーユさんは酒を飲み干す。
ベルもそれに合わせるようにコップの酒を飲み干した。
そんなジュースのように飲めるものではないんだけど…………
っていやいや、そんなことよりもっと気になることがあるだろう。
「あの……それで、魔王の復活って?」
「あぁ、そうじゃったそうじゃった。そんな話だったのう」
ミレーユさんはコップにお酒を注ぎながら口を開く。
「魔族、魔人が集まり、力を集めて妾という魔王側にとっての危険人物を無力化……つまり大規模な動きをしているということは…………」
「魔王の復活が近い。もしくはもう復活している。」
「大事なところをとるでないわっ!?」
「母さんはどうせ遠回りして無駄な話ばかりしていたでしょう……ベルさん、グッジョブです」
「ぐー。」
「む、娘からの風当たりが強いのじゃ…………しくしく……」
そんなことを言いながらお酒をぐびっと飲む。
「質問ええか? 気になったことが一つあるんやけど……」
「なんでもよいぞ。答えられる範囲ならば答えよう」
「魔人……ってなんや?」
「あ、それは俺も気になっていたな」
「私も知らないですね……」
「魔人……ベルも知らない。」
「ふへ~……ぽしゃけ……」
「そこの娘はもう寝かした方がいいのではないか……?」
「それなら私が運んでおくよー!」
「あぁ、わざわざありがとう、カレット」
ブローチからカレットが出てきた。
カレットはメアリスをお姫様抱っこしながら部屋を出た。
「……あの娘はどこから出てきたのじゃ? 一瞬ブローチが光った気がするのじゃが……」
「その通りです。メアリスのブローチからですよ。普段カレットはその中にいるんです」
「あ、あのように小さな魔道具に生命体を……!? しかも、彼奴の力はAランクに匹敵する……」
「いえ、母さん……それ以上かと思われます。メアリスさんと放った合体攻撃の威力は目を見張るものがありました……おそらく、超級魔法に匹敵するかと」
「ほほぅ、面白いのう。長生きしてみるもんじゃな」
ミレーユさんは本当に驚いているようで、大きく表情が変わる。
「……と、また話が脱線してしまったのう。魔人と魔族の違いは、分かりやすく言えば……純血か混血かじゃ」
純血か……混血か?
どちらかはハーフということか?
「当然力は純血である魔族の方が強いわけじゃが……混血である魔人はとにかく数が多い。大昔の戦争では自らの身を案じていないのか、特攻のようなことをしておっての……多数の死者がでたのじゃ」
………………
少し重苦しい空気が流れる。
そんな空気の中、カレットが扉を開け、いつの間にか居たザックとともにミレーユさんの隣に腰掛ける。
「中々重たい話をしているみたいだね。私はメアリスの代理として話を聞くから、そのまま話を進めてくれる?」
「あはは、僕も代理だよ」
「分かった、では話を進める」
ミレーユさんはお酒を口につけ、話を再開する。
「魔族は純血、魔人は混血という話はしたな? では……魔人には何の血が混ざっているのか……恐らく貴様らは、ここが気になっているのであろう?」
ミレーユさんはメディアスに尋ねるような視線を向ける。
メディアスはコクリと頷き、それを見たミレーユさんはまた話を再開した。
「魔人に混ざっている血の正体…………それは……」
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