表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

ハンターの一日は早い。

 僕は飯島直人、ハンターだ。

 今から二ヶ月前、僕は家でここ十年近くハマり続けているゲームをいつも通りプレイしていた。この国の王にこの世界に召喚されたのはそんなときのことだった。

 僕には召喚された瞬間に既視感に襲われた。

 それは召喚された場所がさっきまでやっていたフィールドに酷似していたからだ。

 ゲーム中ではモンスターに破壊され風化したあとの姿しか見たことがなかったが、壊される前はきっとこんな姿をしていたのだろうと納得がいった。

 そして僕の格好はパジャマからゲーム中に装備されていたインナーに切り替わっていた。

 周囲には制服を着た少年少女がいたがそんなこと気にもならなかった。

 理屈も理由もわからないが僕はゲームの世界に転移したのだと理解した。

 その後僕は何故か王城を追い出されたが、そんなこと気にもならなかった。


 セーブを終えてベットから起き上がる。

 この二ヶ月冒険者ギルドでクエストをこなしてランクを少しずつ上げているがまだこのゲームの本質の巨大モンスターも出てきていなく、お供もいない。

 食事も一般人が食べる程度の量しか出てこなく、毎日食事効果(食事を食べることで得られるスキルや能力の向上)が出ているのかほとほと疑問でもある。

 理由はわかっている。僕はまだチュートリアルにいるのだ。

 このゲームは毎回チュートリアル終了時に看板モンスターというゲームのパッケージにのるかっこよくてとても強いモンスターが出てくるのだ。

 そのためにキークエスト(次のランクに行くためにやらなきゃいけない必須のクエスト)をこなさなきゃいけないのに今回は情報が少なくどれがどれだかわからない上にクエストの量が膨大すぎるのだ。

 毎日多種多様なデイリークエストが貼られ、他にも常駐クエストもある。

 それを見るたびにこれが集会場(別プレイヤーとやる難易度の高いクエストが受けられる場所)なのかと疑ってしまうが他に場所がないらしい。

 時々受付嬢にランクが上がりましたと言われるがいつになったらチュートリアルは終わるのだろうか。

 今日もクエストを受けるために防具を着込み保管箱に入り切らなくて壁に立てかけられていた鉄でできた大剣を背負い宿を出た。


 冒険者ギルドにつくと今日も今日で大量のクエストが貼られているが、最近はフレーバーのクエスト(物語に深みをもたらすためのもの)の見分けがつくようになってきたので受けるべき依頼が見えてくる。

 配達、護衛、捜し物、街の中でできるものや移動するだけのものなどの戦闘が発生しないものは大体フレーバーのクエストだ。

 そもそもこれそういうゲームじゃないし。

 一度受けた依頼も除外だ。今はお金稼ぎよりもチュートリアルから抜け出すのが先だからだ。

 そうやって絞っていくと残った依頼はそう多く無い。

 ここに来た当初は判断基準もなく無駄なクエストを多く受けてしまったが成長したものだ。

 今日受ける依頼は...これだな。

 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ