Case 0 俺たちの異世界召喚
更新速度は亀を想像していただけると宜しいかと思われます。
「___ここは?」
確か俺たちは学校の帰りで…。
「っ! 美羽! 浩平! 涼香!」
「お目覚めですか?」
「うわぁ!」
突然掛けられた声のほうを見ると美人のメイドさんが立っていた。
「失礼しました。私は勇者様の専属として配属されたものです。どうぞ、勇者様こちらで皆様がお待ちです」
「みんなが…?」
指し示された方向にあったに扉を潜る。
「よう!ようやく起きたか!」
「あっ。おはよう!」
「ようやく起きたの?」
「みんな、無事だったんだな」
部屋に入ると、あの時一緒に歩いていた美羽、浩平、涼香の三人がそれぞれの挨拶をしてきた。
「教えてくれ。俺たちは、どうなったんだ?」
「落ち着いて聞けよ。どうやら俺たちは異世界に召喚されたらしいぜ!」
「浩平が何をそんなに喜んでいるのかは知らないけれど、そういう事みたいね」
「それでね。私たちは先に起きて王様から直接、説明を受けたんだけど……」
「今、この世界には魔王って奴が攻めてきているそうよ。よくあるRPGみたいにね」
「まぁ、ありがちな話だが勇者を召喚して魔王を倒してくれってことだ」
「魔王とその軍勢は、人間を容赦なく殺していってるの。だから私たちに助けて欲しい。そう言ってた」
「どうする?元の世界に戻す方法はあるらしいぜ?とりあえずお前の意見を聞いてから全員で決めるって答えたけどよ」
「俺たちが戦えば多くの人を救える。そういう事でいいのか?」
「うん。説明を受けた限りではそんな事を言ってた」
そうなのか……。
「みんな。俺の考えは……
数時間後俺たちは着飾らされてこの国の巨大で煌びやかな謁見の間に居た。
周りには多くの兵士や、偉そうな貴族やらが並んでいる。
玉座には立派な髭を生やしたこの国の王様らしい人が座り俺たちに声をかけてきた。
「勇者様方、御心を決められたそうですな?」
「はい、王様。俺、いや、私たちは……」
俺がみんなの決意を決めようとした時。
「ん……?」
俺の耳が遠くから何かが騒がしく迫ってくるのを捉えた。
王様や周りの貴族、兵士、美羽達三人も不思議そうに周りを見渡している。
そして、その音が急速に近ずいて来ると。
ドゴガアアアアアァァァァァァァァンンンン!!!!!
俺たちも潜ってきた巨大な謁見の間の扉が煙を立てつつ内側に吹き飛び、蝶番を勢いのままにねじ切りながら、扉の近くに立つ、貴族や兵士達を押しつぶしながら吹き飛ばしていく。
「キャアアァァァァァ!!!」「ウワァァァァ!?」
「っ!何事だ!?」
兵士達が剣を扉のあった出入り口に向ける。
その場の全員が固唾を飲んでその先を眺めること数舜。
「ゲホ……」
煙が晴れた先に立っていたのは、異世界ではある筈のない、しかし俺たちには非常に見慣れた、スーツを着込んだ女性だった。
仏頂面の彼女から発される圧と、謁見の間にいた人間たちから滲み出す困惑が混じり合って奇妙な沈黙を生む。
誰かが誰何の声をあげようとした時。
「はぁ、はぁ、早い。早いよ!なんなの!?いきなり走って、さぁ……」
そんな事を言いながらもう一人が駆け込んでくる。こちらもスーツを着込んだ女性だった。
息を整えた彼女が周りを見渡し俺たちをその目に捉えて、あぁ。と納得したような溜め息を漏らす。
「えー、皆様。聞こえますでしょうか?」
その場の空気をやけくそ気味に無視して女性が声を張り上げる。
「皆様、初めてお目にかかります!」
そうして彼女は決定的な一言をその場に放り込んだ。
「私共日本国内閣府世界間超越拉致対策特別本部の者です!こちらに滞在します、日本国民四名の返還を要請しに参りました!ささっと返せや、オラァ!」
続きは出…ます。えぇ。出します。多分ね!