あつまれ獣人の森・オレの嫁は猫耳獣人
便利に使われていた平民勇者、ついに切れた!!癒しのモフモフを!!
@ 短編その23 ほぼ毎日1編書いてるよ。
「あーーー・・癒されたい・・」
オレは自分の部屋でゴロゴロしていた。今のオレには癒しが必要だった。
先週まで魔王の討伐に行ってたんだぜ?
全く、こき使うよな。なあ?ネッキアール王国の国王!貴様の事だぞ!
15歳で『勇者だからちょっと行ってくれん?』と無茶振り言ってきて、しょうがないから討伐パーティーに参加して、なんと8年!!休みなんかほとんど無しで戦ったんだよ!
他のメンバーは20過ぎててジェネレーションギャップ、ってやつ?
話合わねーんだよね。しかもみんなお貴族様だし!!まあ15だったから可愛がって貰えたけど。
仲間も何人か死んで、新しい人が入ってもまた貴族だし!!オレと同じ歳の男が入ってきたから仲良くしたいなーーと思ったけど、あいつは女ばっかと話してる。
気がついたら勇者で剣士なのはオレだけになってて、前衛ばっかし、すぐに回復してくれれば良いけど、なんかしてくれねーんでやんの!で、ポーションを買って自分で直したら、
「私たちを頼りにしてくれない」
とか言うんで、
「じゃあ、ちゃんとと直せよ!!オレは500本くらい自腹でポーション買って直してるんだよ!お前達、本当仕事しねーな!!貴族の甘ったれが!!オレ抜けてもやれるんだろ?じゃあな!」
って休み宣言して出てきたんだ。
はーー、故郷戻ってみたら、みんな結婚してて、子供作ってて、家族してて幸せそうで。
オレのおかげだよな!!魔物やモンスター倒しまくって、平和にしたオレのおかげだよな!
本当、感謝してほしいわ。はーーー!!
で、さらにやる気をなくしたオレは、故郷を出て旅に出たんだ。
オレの癒しを見つけに!!
そうだなーーー・・・
ゴロゴロしているときに思いついたんだ。つい言葉にしてたんだ。
「ニャンコほすぃ・・」
そう。
猫耳、尻尾、フワンとした毛。モフりたい・・・
もうこれでもかってくらい、モフモフしたい!
で、思い付きました。
猫耳獣人を嫁・・無理なら恋人・・もうワンナイトラブでも良いっ!!
とにかく一回で良いのよ。モフらせて欲しいのだ。入れなくて良いから!!
・・・あかんあかん、欲望が駄々漏れた。
パーティーメンバーで結婚して去った奴もいるから、恋愛もイケたんだが、オレだけ平民。
なんで平民の剣聖とか入ってこねーんだよぉ・・・魔法使いとか僧侶とかも貴族ばっかだった。
エルフも来やしない!まあこの方は高貴な方だから、見て楽しむだけ枠。それも来なかった。
あーーー!つまんねえ!
戦う為にパーティーに入ったんだから、邪道だろうけど・・・
別にオレ、もてない顔じゃないんだけどなー。やっぱ、平民だったからだなーー。
でも貴族に混ざって8年いると、ちゃんと貴族の挨拶やマナーも身につくんだ。
だから貴族の坊ちゃんと間違えられることもしばしばだった。
でもオレやっぱ貴族じゃないからね。あいつらの仲間と思われるのも遠慮したかったし。
さあて、愚痴はここまでだ。
確か獣人の村ってのが、ここから1ヶ月位かかる場所にあるそうだ。
よーし!行ってみよう・・・たくさん歩いて・・・途中船に乗り換えて・・・
「村長さーん」
なんでこうなった。
「この用事、お願いします」
落とし物って誰が落としたんだ?え?オレが探すの?
仕方がないので、村の見回りも兼ねて出掛けるか。
モフモフ猫耳獣人を探し、ここまで来ました無人島。島の半分が生い茂った『森』。
獣人の村を作って欲しい、と言うか作って発展させてねと、狡猾な狸に言われたんだ。
こうしてオレはたった一人で無人島で暮らし始めたんだ。
誰かから聞きつけたのか、ひとり、またひとり獣人がやって来て住民になる。
まあ獣人をまだ差別をする国があるのも確か。ここでのんびり暮らすのも良いだろう。
秘書の獣人は犬だ。うーん、モフモフしているが、オレは猫獣人が良いんだ。
村の仕事をぼちぼち進め、みんなが楽しく暮らせるように・・・
オレの頑張りで、村にもいくつも住居が増えた。仲良くなった獣人もいて、夜は弾き語りのバーで飲み明かしたり、結構楽しい。
でも肝心の猫耳獣人が来村してこない・・・
仕方が無いから、狼獣人の尻尾を触らせてくれと言ったら、怒られた。
将来を誓ったモノとしか触ってはいけないのだそうだ。知らなんだ・・・
雄の尻尾を触る前でよかった・・
オレは海の魔物を退治したり、巨大な虫を捕獲したり、綺麗な花壇を作ったり・・これが楽しくて。
そして家を改造したり、やる事はいっぱいだ。
こうして3ヶ月。
モフモフ獣人はいっぱいいるので、見ているだけでも楽しい。正直触りたいけど我慢。
村民と戯れて、ワイワイするのが嬉しいのだ。
だってオレ、15歳から23歳まで、仲良しって出来なかったから。
まあオレがいなくても、あいつらだけでうまくやっているんじゃ無いかな?
ここは遠く離れた離島だから、街の情報はほとんど入って来ないからね。
「初めまして、ミャアです」
オレは暫しぽかーーんとしてしまった。
来た・・・
ついに来た!!
オレの可愛い猫耳獣人!!
白い毛で、クリっとした目で・・毛足が長い。尻尾もモフモフ!!
オレは『ようこそ、オレの村に!』と言うつもりだったのに、
「ようこそオレの嫁!」
と言ってしまった・・・
彼女も暫しぽか〜んとして・・ダッシュで逃げてしまった。
ああ〜ん、オレのばか〜ん・・・あまりにも待ち過ぎて、礼儀を吹っ飛ばしてしまったよ。
出会いはちょっと失敗。だけど同じ村で暮らしていれば、挨拶くらいする。
そのうちちょっと世間話、コーヒーを飲んだり、買い物の荷物を持ってあげたり。
部屋のゴキブリやタランチュラを追っ払ってあげたり、花壇を一緒に作ったり、フルーツでジャムを作ったり、洋服を見立ててあげたり、家具をプレゼントしたり・・・
いつの間にか・・オレの家には彼女の服やら食器、洗面には化粧品もある。
気付いたら彼女はオレんちに住んで、オレのそばで横たわっていて、オレは尻尾をモフモフしている。
最近役場で結婚証明書を発行してもらった。つまり夫婦になったのだ。
家も一番大きいものに改築して、子供が生まれてもバッチリ。
やはり嫁さんもらうって良いよなぁ〜。
「こんなところにいたのか、お前」
見覚えのある顔、聞き覚えのある声。おや、知らない顔もあるな。
まあ、勇者でも死ぬときは死ぬからな。入れ替えしたのかな。
久しぶりの元パーティーのご尊顔なんか見たくなかったぜ。
オレは家に嫁と子供を押し込んで、あいつらに向き合う。
「オレの村に何か用か?オレはもうやらねーからな、あんな事」
「いや、絶対にやってもらわないと。お前が抜けてから3人死んだ」
「役立たずの僧侶と・・・魔法使いに・・あのくそ剣士か」
「・・・・・」
「知らねーよ。他の従順に訊いてくれる奴でも入れろよ。オレはもうな、貴族にこき使われたくねーんだ。仲間を仲間と思わず、前衛に押し出して、治療すらしないクソとはな」
「・・・・すまない」
「うるせーー!!調子に乗ってんじゃねーー!!500本のポーション代金くらい用意しろよ。お前らは自分たちが楽になれば良いんだよ。平民なら言うこと聞いて当たり前って、根性が気に入らねえ」
「・・お願いだ、戻ってきてくれ!頼む!」
「もっと早くそう言って欲しかったね。もう遅いぜ。さっさと帰らねーと、ぶっ飛ばすぞ」
オレは空間ポケットから愛剣を取り出し、あいつらに剣先を向けると、身体中から波動が揺らめく。
「魔王がもう直ぐ復活する・・」
「まだ復活してなかったのかよ?」
「ああ。お前がいた頃に追っていた魔王は、ダミーだった。散々ケムに巻いてくれた挙句、時間稼ぎされて、100%の力で現れる・・・そうしたら・・世界は終わりだ・・」
「どこにいやがる。魔王は」
「この島が一番近い」
「!!・・西の島か!!あそこは岩場ばかりで誰も近寄らなかった・・くそ!!くそおっ!!」
オレは空間ポケットからアーマーやベルトバッグ、ブーツなどをどさっと出した。
「今からそいつをぶっ潰す。おまえら、薬はちゃんと持っているか」
「ああ、なんとか」
「オレは前衛で突っ込む。おまえらは後方で適当に術使っていろ。破邪と防御結界は重ね掛けだ」
「行ってくれるか?」
「しょーがねーだろ!嫁や子供もいる、村人を守るのは村長の仕事だ!」
「とうちゃん!」
小さな子供がドアから飛び出し、オレに飛びつく。
「おー。ちょっと出掛けてくる。ママと待っていろ。お土産持って帰るからな」
「あなた・・」
「ミャア、行ってくる。チューして」
ちゅ、と唇にキスをしてくれた嫁が、何故か泣いている。オレは嫁に一度手を振った。
「泣くなよなぁ〜。じゃあちょっくら行って来るわ」
オレの体はふわりと浮いて、細かい光の粒がオレの背に翼を象る。そしてばさっと羽ばたいた。
他の奴らも浮遊の術で浮かんで、オレについて来る。
結果から言えば、オレは右足を切断されて、癒し手だった古株の僧侶が死んで再生は不可能。
オレに戻ってくれと言った魔法使いも、2度と魔法が使えない程摩耗していた。
他には新人の剣士、魔法使い、僧侶も死んだ。焼けたり引き千切られて、復活は出来なかった。
それから、後数%で完全体だった魔王は、全力を出し切れず消えていった。
だが勝った。これが大事。
最高級のエリクサーでも手に入れば、魔法使いもオレも元に戻るだろうが、高いと言うか国宝よりも貴重で希少だ。手には入らないだろう。
まあ、手が無くなるよりは良いかな?利き手は大丈夫だし。
こうしてオレが勇者だったことが村民にばれ、なんかすごく敬われて、こっ恥ずかしい。
足も魔道具の義足でぼちぼち生活出来ている。
魔王討伐の任は無事終了、オレはパーティーを一旦抜けた分、報奨金が少なかったが不満は無い。
「ぼくのパパは勇者なんだ!すごい!」
子供の賛辞で十分だ。
もちろん嫁もすごくサービス・・げふんげふん。
まあオレは今も村長をしていて、ぼちぼちやっているって事さ。
モフモフ最高。
ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。
どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。
pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。
https://www.pixiv.net/users/476191




