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二人は甲斐山に行く前に、念のためこの村での事件や事故等を調べて行方不明者がいないかを探した。
白骨死体があったのならそれは誰だったのか。もし行方不明者がいれば、白骨死体があった可能性が高まるのではないかと調べたが、特にそのような記事は見つからず、事件といえば何十年かに一回、毒ガスを吸って気が触れたものが出るくらいだった。
二人は春子の父や他の調査隊のメンバーの反応を見ても、おそらく本当に白骨死体などなかったのだと思っているが、昔から不文律とされてきた事に触れる好奇心から、甲斐山の毒ガス地帯探索を諦める事はなかった。
そして、準備を整えていざ探索の日となる今日を迎えていた。
「あっ!あれじゃない?」
「おぉ、あそこか…結構わかりやすいな。」
目的の場所は、目印の岩場を超えた先に周囲を古い木の柵で囲まれた状態で見つかった。
柵の外側の地面には注意書きの古い看板が草に埋もれていた。
"コノ先毒ノ洞窟在リ、近ヅクベカラズ"
春子の持つ地図には、洞窟の内部で毒ガスが発生しており、入り口付近は毒ガスが薄くなっている事が記載されていた。
柵の内側に入る前に、二人は春子の持ってきたガスマスクを装着し、スマホで周囲の写真を何枚か撮った。
「よし、じゃあ気を付けて進むぞ。」
和男は洞窟の入り口で災害用の懐中電灯のスイッチを入れた。洞窟内は暗くひんやりとしており、どこか非現実的な様子だった。
足元の少し前を照らしながら、洞窟内を慎重に進んでいた時、懐中電灯の明かりに地面以外の物が照らされ、二人は驚いた。
「えっキーホルダー?」
「これ、最近アメリカで流行ってるキャラクターだよな?」
「そういえば、こんなのだったかも。」
それは赤い唐辛子のあまり可愛くないキャラクターのキーホルダーだった。
「誰かの落とし物?」
「…こんなのいい歳した調査隊の大人達が持ってると思うか?」
「え?でも、…じゃあ他に誰かここに来た人がいるってこと?」
「その可能性あるよな。まぁ、調査隊の人がそういう趣味だとか、子供に持たされたっていう可能性もあるけどさ。」
二人はガスマスクを通してくぐもった声を出しながら話あった。
「でもさ、このキャラが有名になったのって結構最近じゃない?今年はまだお父さん達行ってないし…。」
「調査隊は確か来週だったよな。まぁ、日本で有名になったのは最近だけど、アメリカでは結構前から人気があったみたいだし。去年の調査の時の可能性も一応ある。…でも、一番高いのは最近誰かがここに来たって可能性かな。」
「誰かが…。」




