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「…ああ、俺レベルアップしたみたいだ。…なんかスキルとか書いてあるのが見える。」
「えっ!マジ?!」
「…なんかゲームのステータス画面みたいのが見える。」
「!お前幻覚でも見えてんじゃねぇのか?さっきあいつに何かされたんじゃねぇの??」
「本当に見えてんだよ!なんかレベル1 up!って書いてあったり、スキルに蹴術 new!って書いてあるし!しかも他にもスキルがあって、それがゴーレム作成って書いてあるんだけど…。」
「何だよそれ…。お前どうしちゃったんだよ。まさか毒ガスのせいで寛治のおっさんみたいに頭がおかしくなったんじゃねぇだろうな!」
晃の悲痛な言葉を聞くも、修三は無言で近くに転がる石に手をかざしゴーレム作成、とつぶやいた。
その途端、地面に転がっていた石達が発光しながらひとところに集まっていき、ひと際強くピカ!と輝いた後、その場に石で出来たゴーレムが佇んでいたのだった。
「おおー!お、ぉ?」
「ぅええ!!お前マジかよ?!って小っさ!」
「マジだったみたいだ…。」
「信じらんねぇ…。にしても小っせーな!手乗りサイズだな~。」
「自分でも信じらんねぇ…。」
「でもお前スゲーな!本当だったんだな。俺半分くらいお前の頭がおかしくなったのかと思ってたよ。」
「いや100%疑ってただろ。」
「スゲーなー!いーなー!俺もなんかスキルほしい!」
興奮してはしゃぐ晃と対象的に、修三はどこか呆然として佇んでいた。俺も化け物倒せばレベルアップするかな~?と楽し気にミニゴーレムを観察する修三に対して晃は言った。
「晃、それ以上そっちに行くな。」
「そっちって、出口の方って事?あれ、そういえばなんでこっちの方にあんな化け物いたのかな?」
「…そっちは出口じゃない。それ以上進んだらお前戻れなくなるぞ。」
「は?何言ってんだよ修三。」
「俺らはどこかで道を間違えたんだ。ここら辺は異界との境界線になってて、この先に進むかレベルアップするかのどちらかをするともう元の世界には帰れなくなる。」
「…お前、何言ってんだよ?何でそんな事、お前が知ってんだよ…?」
晃はなぜかカタカタと微かに震えながら修三に尋ねた。