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甲斐山のうわさ  作者: ハム
G—part
13/16

6



 修三が投げたキノコに気づいた化け物は、二人の方に顔を向け凄まじい速さで這いよってきた。



「ギヂヂー!!」


「うわぁ!何で?!」


「ぎゃー!キモイ!化け物ー!」



 振り返った化け物は餓鬼のような醜悪な顔をしていた。凄まじい速さの化け物は近くにいた修三の足に飛びついて這い上ってきた。



「ギョアー!!」



 修三は必死で足を振り回して化け物を振り落とそうとするが、化け物は凄い力で修三の足にしがみつき離れない。振り回されながらもしがみつく化け物が、修三の足に噛みつこうとした時、修三の足が洞窟の壁に思い切り当たった。



「ギヂャー!!」


「いてぇーー?!」


「修三!」



 修三の足と壁の間でクッションになった化け物は、壁にたたきつけられた衝撃で修三の足から離れたが、すぐに起き上がってまた素早く修三に這いよってきた。



「どぅわー!!」



 化け物に這いよられる前に修三はめちゃくちゃに足を振り回した。その足が化け物に偶然当たり、その衝撃で化け物がまたも壁に叩きつけられた。



「ギヂー!!」



 少しふらつきつつもまたも這いよる化け物に、修三は今度は狙いをつけて渾身の力で蹴りを入れた。



「ギーー!!…ギ、ヂ…。」



 息を乱しながらしばらく化け物を見ていた修三だが、化け物がピクリとも動かなくなるのを確認すると、大きな息を吐いてその場に座り込んだ。


 晃は修三と化け物の必死の攻防を、少し離れたところで一歩も動けずにただ見ている事しか出来なかった。


「修三、だ、大丈夫か?」


「ああ、なんとかな…。」


「ふぅービビった~。お前よく…って何探してんだ?どっか怪我でもしたか?」



 修三はリュックの中をあさり、何かを探しているようだった。



「スマホ。なんかアラームがなっててさ。」


「は?俺は何も聞えないぞ?」


「そうか?…あれ、スマホのアラームじゃないみたいだ。なんかあのネズミが動かなくなった後からピロリンピロリンって鳴りだしたんだけどな。」


「何だよ、レベルアップでもしたのかよ?」



 笑いながら晃は修三に尋ねたが、修三はハッと何かに気づき真剣な表情で、




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