記憶の復帰
リナをターゲットにして、浮遊魔法を付与したところで、手を止めた。
善く善く、考えてみれば、小さい頃の事など知りようがないのに、記憶なんて弄ろうとした、至らない自分に反省しつつも、どうしようか、リナを見詰めながら悩んでいった。
それにしてもリナって、こんなに可愛かったけ? んー、羨ましい、わけじゃないよ……桜色の髪色が鮮やかに靡いてるしさぁ、それにサラサラしてて長!。
く、負けた気が、いや、決してロングの髪が羨ましい訳じゃないよ、ちょっと、悔しいだけです……目なんてクリッとしているし、愛くるしいたらありゃしない、ミューズって反則な気がする。
……ミューズだけあって、可愛さ上乗せされてるんじゃないの?。
まぁ、胸は勝手るからいいんだけど、他がね、や、決して勝ち負けの問題じゃないけどさ、ん~だよ。
余計な事を考えて妄想に耽っていると、ガシャ、ガシャ、音がし始めた。
音の矛先は、扉の開けて放ち此方の様子を除き混む三人の影。
ブラインドにへばり付き、隙間から覗き込む六つの血走った目が、こわい。
もちろん言わずとも分かるでしょうが、先逃亡した三人、ルルリナ、ユカ、コロラです、何やら言っていますけど、聞こえませんので、無視します、だって、聞こえないし、放置、放置。
私が張った防御壁が邪魔して部屋の中に入って、これないみたいで、なんて優れものなの、と。
優越感が込み上げるなか、さて、どうしたものかと、リナの観賞をし始めた。
どうせ、面倒臭がりの神々のことだから、転生者の記憶を封印して、新しい記憶を入れた、だけなんだろうけど、やり方が、分かんない。
ん~と……「全ての転生者の記憶を解除、それと同時に新しい記憶の排除」なんて、言えばいいのかな。
へぇ? いや、なにこれ?。
一斉に浮き上がり光を放ち始める、ギルドメンバー達。
言葉を発してないのに、発動するってどうなの。
「いやいや。
口に出して、言ったことすら、お分かりになれない。
御馬鹿なんですか」どっから、沸いたルルリナさん。
部屋の外に居ましたのね、何故? 居んのさ。
入り口に目線を向けたら、扉の部分だけ解除されているし……折角、神々の視界に入らないようにしたのにさ、意味無いじゃないのさ。