聞き慣れた声
聞き慣れた声、長い間苦楽を共にしてきた仲間達の声を忘れるはずもないのだけど、どうにも腑に落ちない点が多々ある。
それは、私を含めたギルドメンバー達は出会ってから一度も会ったことがないは紛れもない事実で、接点と言えば、同じネットゲームで知り合ったゲーム仲間に過ぎない存在のはずが。
それが現実じゃ、幼少期から知っている、幼馴染的な関係に位置付けられているし、なんなのこの我が儘設定は、都合が良すぎるにも程があるんじゃない。
確かに私はギルド、シンフォニアに所属しているギルドメンバーであり、一冒険者だし、それを否定もしない、だって……あ、そっか、ここが違うのか。
頭の中に二つの記憶が重なり合い目覚めた所で一つ柄になっている。
一つはもちろん、地球で産まれ育った記憶と、もう一つがこちらの世界の記憶だけど、不思議な事に、綺麗に区分されていて、混ざり合う事無く思い出せる。
でも、録画画面を椅子に座って見ている感じで、自分の記憶を閲覧できてしまうのは、違和感がありすぎでなんとも言えない……。
取り敢えずは、この如何にも製作しましたよ、てきな私の記憶、ザ・ムービーを見る事にした。
え? なんで、そんなの分かるのかとゆうとですね、ビデオ撮影された自分を見ているからです。
へぇ~幼少期の私は近くの森で、友達と遊んでいたのか、幌ウサギを捕まえたり、ビピを捕まえたりしている、あ、ビピは地球で例えるなら白豚かな。
田舎で暮らす子供だよね、これ……。