口説かれる精霊達 003
「フェンリル……フェンリル」耳がピコピコ反応しているから聞こえては、いるはず。
精霊達、全員ヒューマンかと思っていたら、フェンリルだけ違っていました。
良く見ていませんでした、どうもすいません。
フェンリルは外見ミューズで、ん~何て言えばいいんだろう、そうだな、例えるなら、白銀の狼といった感じが一番しっくりくるのかな、人に寄っては印象が違うので、飽く迄、私、個人の意見だと、きつい感じのお嬢さん? 荒々しく近寄り難いお嬢様かな、私からしたら猫被り感が半端ない、根拠、そんなの女の勘ってやっですよ。
耳だけ、私の方に向けているけど、眼はフジマルに釘付け、ガン見ってます。
仄かに頬を染めて、可愛く悶えちゃってさ……ああ、やだやだ。
「さっきから、ブツクサ、ブツクサ、煩いですね。
木琴、叩きながら御経を唱える、似非坊主ですか」なんですと! 私が何時……て、ちょっと、何をしているんですか、チミタチ!。
「あの、コロラさん、ユカさん。
何をして、いらしゃるんのですか?」
「いえ、拝んで措かないと、御利益が頂けないかな、と……」なんのだ! この鴛夫婦は、息ピッタリで恨ましいですこと、て、ちがぁう。
「ふ、ふざけ……な……」
「いいですね、それ」一々さぁ、人の視界を塞いだ挙げ句に、私の発言に被せてくるんじゃないの、ルルリナさん。
「ちょっと、ルルリナ!」
「なんですか?。
生き菩薩様」うわ、にやけ頭らがムカつくんですけど!。
「誰が生き菩薩だ!。
て、皆も拝むんじゃない」
「合掌」やめんか! ルルリナ。
人に拝まられるとなんとも言えない気持ちです、むず痒くて気持ち悪いんてすけど。
てか、ギルドメンバーが、私を哀れむ視線が痛すぎて、耐えれません。
「……やめなさい」やめる気配がまったくない、て、どおゆうことよ。
私を拝んでも、なんのご利益をありませんよ、誰かなんとかしてください。
ルルリナがニヨニヨしているのが、ムチャ腹立つ!。
「……い、い、か、げ、ん、に!。
しなさいよ、あんたら!。
私にも我慢の限界はあるんだから、もう! 許しません」
「……ここは逃げるが勝ちですね」
「そうで御座いますね。
ルルリナ様」はや、陰を残さない逃げ足って、なんなのよ。
「ルルリナ! コロラ! ユカ!。
待ちなさい」
皆が邪魔で追いかけられれないじゃないの。
「ごめん、ちょっと退いてくれる……く、まて! 逃げるな!」そそくさ部屋を出て行く三人を見送るなんて、屈辱だわ。
「レ、レイラレスカ様。
お、落ち着い……て、ください……」震えながら言わないでよ、ウンディーネ。
「レイラ姉。
そんな些細なことで、一々目くじ立てていたら小皺が増えちゃうよ」
「愛実、私にも堪忍袋、て、もんはあります」
「そうだけどさぁ。
女神の怒りはヤバイ、て……」これで、怒るなって、言われてもさ、無理です。