森の管理者、ドリアート
真人とユレイブの前に立ち塞がっる形で出現した、アテナとトール、小柄なのに存在感が半端ない。
大の男二人がたじろいで、一歩、後に下がってしまうくらい、迫力がある。
私には出せない、威圧感が羨まじすぎます。
これでセクハラから解放されるんだと胸を撫で下ろし、安堵感に包まれていたが、気のせい? ルルリナが不適な笑みを浮かべているのは、何かを企んでいる訳じゃない事を祈りたい。
この状況では何も出来ないでしょ……きっと。
レムが顕現し始めた、一瞬、閃光の柱が天を貫く、瞬きより早く人形に収縮すると、ランプの暖かみある光りに変わり、ミクロ単位で、上部から飛翔して、地肌を剥出しに成っていく、高校生くらいの乙女だ、金髪というには淡すぎる色素の髪質、少し焼けた肌が眩しく輝かせた、丸顔の乙女が地上に舞い降りた。
「我が主は、触らせません」レム、庇ってくれるのは嬉しいんだけど、言う相手、間違えてません? 真歩が呆れていますよ。
必死な余り気が付いていないレムだった。
続いてドリアート、森林の樹木が高速で成長して行く様は再生機能の早送りその物だ、見る見る人へと形取り、頭部まで到達すると細く薄い繊維が捲れていく、薄くグリーン掛かった、白髪を靡かせた、檜の匂いと甘い香りを漂わせた、お姉様のと呼ぶに相応しい人? が現れた。
「レイラレスカ様に近寄らせはしません。
此処は、お任せを」ドリアート、それ! 妹! 妹だよ、前よく見なさい、愛実が剥れちゃったじゃないのさ、私は知りませんよ。
助けてくれるのは嬉しいんだけど、先走り過ぎなのでは、て、あんたら二人、出現しての台詞可笑しくない? 何処かで観てたんですか?。
「はい、レイラレスカ様。
私達、精霊は大気混じって、存在しております。
何処にでも存在しますので、大凡の察しはつきます。
それにレイラレスカ様との意思の疎通が可能ですから、対話が無くても対応するのは容易い事なのです。
只、我ら精霊の意思はレイラレスカ様には通じないので、喋らなくてはならないのが、不便ではありますが」いきなり、喋り始めたから、皆が変顔して見てんじゃんか。
一様さぁ、お話してから話そうね、ドリアートさん。
「……」泣きそうな顔をして、私を見ないで下さい。
「いい、ドリアート。
次は私が喋ってから話するようにしてね」
「はい、畏まりました」目をウルウルさせながら返事をした、ドリアートを見つめている二人のギルドメンバー、目の色が変わっていた事に、この時は気が付けなかった。
残りの召喚陣が輝きを放ち始めた。




