スティゴールドと冒険者ギルト
着ればいいんしょ着れば……私と妹二人は白ローブで縁取りが赤ライン、両親は紺色ローブで縁は私達と一緒の色。こんなんで他人から視えなくなるのかな?……。
「レイラさん、勘違いしてはいけませんよ」
「……え? なにが?」
「他人から見えなくなるわけじゃないので、呉々も勘違いしないように」
「……違和感がなくなるってこと?」
「そうゆうことです」
そんなもんなのかな、着てみると意外に可愛いからまぁいいか。
大鏡の前で左右にヒラヒラさせた。
「あ、そうだ!」
「なに、いきなり大声出さないでよ」耳元でさ、うるさいっての!。
「貴女のお友達も此方に喚んでおきましたから」
「友達? ……ちょっと、待ちなさいよ、どういうこと?」
「だから、招待状送ってきた、貴女のお友達を此方の世界に御招待して差し上げたんですよ。
一人は寂しいとだろうと思いましてね。
嬉しいでしょ!」
「はぁ!!」いや、ちょっと、まて! 招待状を送ってきたのはネットゲームで知り合いになった人達だけど、喚んだって……駄目だ、混乱してきた。
「なんて、顔をしてるんですか…笑わせたいんですか」
「いや、だってさぁ」
「全員喚んでおきましたから、安心してください」
「全員って……」ありえなくない、てか、頭痛くなってきたよ。
「そ、全員です」
私が所属していた、ギルト【シンフォニア】メンバー全員って事は26人は居ると思うんだけど、しかもさぁネットゲーム友達だよ、全員に会ったこともないのに、ピンポイントでどうやって喚んだのさ。
「そんなの私に掛かれば簡単なことです」
「………」いあ、もう突っ込むの止めよう付いていけない、ネット回線辿って一人一人見付けていったぽい、そんな菱面倒くさい事を楽しそうにやったんだろうな、こいつは!。
「あれ? 嬉しくないんですか?」
「……」呆れてものが言えないよ、どうしろってのさ。
「スティゴールドさんは喜んでいましたよ、遠くで見ていただけでまだ直接お逢いした事はないですがね」
「………」彼奴は……いあ、なんか喜んでそうで……あのエロエルフはきっとウヒョー生猫耳だ、たまんねぇぜって言ってそうだな。
スティゴールド、ギルト【シンフォニア】の、ギルトマスター頼りがいがあり、沈着冷静、誰からも慕われる、私がもっとも尊敬する人だが、ちょっと、エロイのが難点だけど、それを除けば百点満点だ。
エルフで長く尖った耳、美形男子で身長百八十三センチはありそうな格好いい人だが、それは飽くまでネット状の話で実際に合うと、どうなっているかは微妙なところなんだろうな、なんか、ん~逢いたくないようで逢たいような、何とも言えない。
「聞いているんですか!」
「き、聞いてるけど……」
「それならいいんです」
何が良いんだか、連れて来られた皆はいい迷惑だとは思わないんですかね、この人は……。
「あ、皆様は凄いお喜びになられていたので、心配するだけ、無駄! ですよ」
また嬉しそうに言うな……。
「なんですか、その冷たい目線は」
私を困らせて楽しんでる様にしか見えないんだけど……。
「いやさぁ、私を困らせて楽しんでない?」
「そんなわけないじゃないですか」
「本当に?」
「疑り深いですね、皆喜んでるんだから良いじゃないですか」ニタニタしているのが怪しいんだっての、気付いてないのか? 。
「それならいいんだけど……」まぁいいや、ギルドメンバーに合えば分かるか。
人数多いから家族に紹介するの面倒くさいな 、なんて思ちゃいけないよね。
「ルルリナ様、もうギルトに付いて説明して宜しいでしょうか?」
「あ、コロラさん、すいません。
話を進めてください」
「でわ、進めさせていただきます。
冒険者ギルトで登録をしますと神であることを隠せるようになります」
「え? どうゆうこと?」
「今皆様は膨大な魔力を発しています。
お分かりになれないとは思いますがこの世界の住人達は魔力感知を所有しておりまして、人ならざる者だと一目で解ってしまいます。
簡単に言いますとスキルの様なものだと認識していただければ、よろしいと思います。
産まれ持っているものなので誰かに教わる事も教えることも出来ないものとなります」
「へぇー、五感みたいなだな」お父さん、さすが頭の回転や早いな。
「そうですね、五感よりは第六感と言った方が分かりやすいですね。
それで、冒険者登録を行いますと上書きが出来、神で在ることを隠すことが出来るのです」
「便利なもんなんだな」
「じゃあさ、冒険者になると魔力感知も出来るようになるの?」
「はい、レイラレスカ様のお喋るとうりです。
それで呉々も今着ておられるローブを脱がないようにお願いします。
もし脱がれますと……とんでもない事になりますので御注意してください。
それでは、皆様、準備ができましたら冒険者ギルトに出発したいとおもいます」
いよいよ外にでるのか、楽しみです。