私じゃない
こんなのさぁ、どうやって、皆に説明すればいいのよ、だぁもう、時間、止まってんだよ、ねぇ、ねぇ、人の迷惑も少しは、考えてくれないと、困るんですが、わかっていらしゃるんですか!? ……アホ神共、非常識にも限度ってもんがあるでしょ……こんなのさぁ、どうしろっての、色々と考えてるうちに時を刻み始めた、時計の秒針、カチ、カチ、カチ。
動き始めた時間は止められない。
「な、なんですか、これは!」ルルリナさん、御尤も……意味深な笑みはなに?。
「あ、スティさんだ」真歩、喜ぶ矛先が違うと思うんですが。
「お! いつかの美女が……」お父さん、背中の殺気に気が付いたのか、途中で止めて正解だったみたい、お母さんの目付きが一瞬、変わりましたよ、命拾いしましたね。
て、違ぁう、なになに、普通さぁ、驚く処だよね?! なんで誰も驚かないの? 皆にどう説明すればいいのか悩んだ、私が馬鹿みたいじゃないのさ……。
「レイラさんも、やってくれますね」なにをだ!。
「は? いや、意味がわかんないし。
私が何したってさ?」
「ナニ、すっとぼけた事を! 今しがた、大魔法を使ったじゃないですか」あやつら、人に罪、擦り付けよった!。
「そうですとも、あの様に、魔力を自在に操る様は素晴らしいものが御座いました。
私、感無量の想いで御座います」あ、ユカさん泣き出しちゃったよ、駄目な教え子が出来たみたいにさぁ、言わないでくれますか? 私、教わった記憶は御座いませんよ。
「ユカさん、教えた解があったと言うものですね」なに、手を取り合ってるんのさ……。
「まりな、うちの娘が」
「えぇ、貴方」おい、そこのダメ夫婦!。
どうやら、槍逃げした神々達は、ギルドメンバーを召喚したのが、私だと皆の記憶に植え付けたみたいなのですが、ロクスッポ魔法を使う事の出来ていない私としては、非常に不味い状況に置かれている訳なのです。
他にも召喚して欲しい等と妹達にせがまれる羽目に成るとは予想もしてないのです。
取敢えずギルドメンバーの額に手を当ててから、召喚のすることになったんですが……逃げたい。
「えぇ、やらないとダメなの?」無理だし。
「さっき、やってくれたじゃん」は? いや、そんな記憶は私には御座いませんよ。
「ほら、勿体ぶっていないで、やってあげなさい」ルルリナ、他人事だと思ってさ、いい気なもんね。
「じゃ、やるね」ええい、自棄だ。
「我が問いに答よ、汝、炎の精霊イフリートよ」魔方陣が描かれ、炎の精霊イフリートが姿を現した。
やった、本人が一番驚いています。
チョービックリだよ!。