デスボルトと悪の軍団 005
台所に直行とかありえなくない! 逃げれないしさぁ、なんなのよ、まったく。
両脇、ガッチリ固められて、台所までの道のりが嫌なこと、料理するのは好きだけどさぁ、これって私、奴隷か! 囚人扱いじゃない? でも、こんな状況で何作ろうか考えてる、自分にも腹立つけど……どんだけ、好きなの。
「……ねぇ。
みんなさぁ、なにか食べたい物とか無いの?」いえ、決して、流されてるわけじゃないので、自分自身の欲求に負けただけですので、勘違いしないで下さいよ、誰に言い訳してるんだ?わたしは……。
「レイラが作るものなら、なんだっていいぞ」子供か! 真人さん、キラキラした目で見詰めないで下さい。
「そうですとも、レイラ様の手料理ですよ。
不味いわけがないじゃありませんか」然りげ無くハードル上げましたよ、ミカさん。
「そうですね。
パスタなんて、どうでしょう?」お、リクエストきたーけど、ルルリナじゃんか。
「却下で御座います」ちょっと、コロラさん、ユカさん、ハモって言わなくてもいいじゃないのさ、折角出たリクエストを潰すんじゃないよ。
「レイラ姉、パスタ以外で」
「そうだよね。
ここでパスタはないよね」真歩、愛実、一品目潰してくれてありがとう、嬉しくないわ! どうしてくれるんですか!。
作る気満々の私もどうかと思うけど、今更やめれる状況でもないし……。
「……。
ラーメン、なんてどうだ?」また、麺類ですか、しかも手間の掛かるのが出ましたよ、いいけどさ、スープから作るから時間掛かりますよ。
「ラーメン? て、どんような食べ物なんでしょうか?」
「あれ? こっちにラーメン無かったですか。
そうですね……。
レイラさんや、説明してあげなさいよ」言うそぶりみせて、私に降るんじゃないっての、ルルリナさん。
「……えっと、ね、ミカさん。
スープに麺を入れて、その上に野菜を乗せた料理…かな」
「それは嘸美味しいのでしょう、食べるのが楽しみで御座います」ん? ラーメン確定なのか。
「……スープから、作るから時間がほしいんだけどさぁ」
「どれくらいなの、時間で御座いますか」子犬様な目をしても駄目ですからね、ユカさん。
「ん~どうだろ、煮込むのに、二時間くらいかな……。
真歩、あんたは手伝うの」然りげ無く逃げ様としたって逃がしませんからね、真歩。
皆、時間を聞いて愕然としなくてもいいと思うんだけどさ、ラーメンじゃなかったら、もう少し早くなるけど、変える気無しですね。
「えぇ」当たり前じゃ、スープ煮込んでる間に麺打たないと、いけないんだからさ。
「じゃ、真歩は無し」愛実を捕獲する、真歩って……あぁ可哀想に、私は助けませんからね。
「手伝います、姉様手伝わせて頂きます」なにが姉様だ、こんな時だけ敬語とか気持ち悪いんだっての。
「私共も御手伝い致します」ゴブリンギャル三人組とミカ、優奈、椿が手を上げた。
「後は邪魔だからさ、二時間くらい。
何処か出掛けに行っていて」
「でわ、各村々を周り兵士を集めて参ります」ん? あれ? なんか、さっきと主旨が変わってませんか? ベルベッセさん。
ベルベッセと残りのメンバー達は早々に部屋を出ていったよ。




