何故? 女神……
「でわ、お金について説明させていただきます。
お金には金、銀、銅がございます……。
銅貨、百枚で銀一枚、銀貨、百枚で金一枚、一月金貨一枚あれば食べてはいけますが、一人分になります。
ここに金貨四枚ありますが、冒険者登録に必要なお金が一人金貨一枚いります」
「人数分しかないのか、それは困ったな……」
「そうなります、あ、ユカさん例物を準備をお願いしますね」
「はい、わかりました」ユカは部屋を出ていった。
ルルリナ、仏頂面したままプカプカ浮いている、大人しくしてるし私にからんでこないからいいんだけど、なんで私の近くから離れないんだろう。
「コロラさん、皆に例の説明をしてあげてください」
「はい、ルルリナ様。
今の現状を申しますと皆様は神と女神になられています。
神殿に肖像画や写真が飾られおり、素のままで外に出られますと大騒ぎになってしまいます」
「え? てことはさ、出掛けられないんじゃないの、せっかく楽しいこと一杯ありそうなのに……」真歩、そんなに愕然と肩を落とさなくても。
「真歩、そうなると困ったわね……お買い物にも行けないし、新しい服も買えないわよ……」お母さん、今重要なのそっち? 。
「そんなの絶体にやだよ」どんだけ、服、ほしんだよ。
「仕事をして、生活費を稼ごうにも外に出れないのはな…それに、色々見ても歩きたいし、出来ないとなると残念だな」お父さんも落胆する、先が違うと思うんですが。
「えぇ、外出れないの?! そんなのやだよ! なんとかして……」愛実、それは今は違うよ。
なんだろう、皆してこの世界を満喫したい感が溢れでているのは、私だけなの? 真剣に悩んでるのは……。
「そこで、冒険者登録をしていただきたいのです」
「外に出れないのにどうやって、冒険者ギルトまで行くのさ?」
ユカが部屋に戻ってきた、手には綺麗に折り畳まれた紺色と白の服。
「それを着れば、他人から除外されるから大丈夫だ」ルルリナは、ユカが持ってきた服を指差した。
ユカは皆に手渡した。
「え? こんなので誤魔化せるの?」只のフード付きのローブだけど、こんなんで大丈夫なのかな? 。
広げて視たものの、変わった所が、全く見当たらない。
「ルルリナ様、それでは分からないと思いますよ」
「そうか? じゃユカさん、説明してあげて……」
「はい、畏まりました。
でわ、僭越ながら御説明させて……」
「ちょっと、まって」
「レイラレスカ様、なんでございましょう」
「あのさぁルルリナ、気になったんだけど、私達を神にする必要てあったの?」
「あれ? 不服でしたか?」
「不服もなにも、こっちの世界に住む人間にすればよかっただけで、こんな面倒くさい事しなくてもすんだんじゃないの? 」
「折角、神って存在にしてあげたんだから、素直に喜んだらいいじゃないですか」
「女神になれたのは嬉しくないって言われれば嬉しいよ」
「だったらそれでいいじゃないですか、で、何が言いたいんですか?」
「え?! だってさぁ……」
「なんですか? もしかして、私が色々考えるのが面倒くさいから、手身近な女神にしたとでも、言いたいのですか?」
「……そうじゃないの?」
「そんなの当り前じゃないですか、解ってんなら聞かないで下さいよ」コロラとユカが目を丸くして固まりましたよ。
「な?!」
「ルルリナ様、それは言わない約束だったのでは?」
「あ……しまった、今の無し、忘れてください」
「はぁ?!! 今更遅いは! だったら今からでも遅くないから人間に戻しなさいよ」
「え! だってもう無理なんですから諦めてください」
「はぁ? なんで無理なのさ? 理由を言いなさいよ」家族も頷いた。
「転生させようにも肉体が絶えられずに消滅してしまいますから、今更どうにもなりませんから諦めてください」
「………」こいつは! 取り返しのつかない事を……。
なんって言っていいんだろう、もうさぁ、やってらんないわよ。
ルルリナを消滅させてやろうかしら。
1分が、とても長く感じてしまう程の静寂に包まれたが、さすがこの神達はそんなの無視して話を進めていくなぁ。
「それでは、このローブに付いて御説明させて頂きます」
もう勝手にして……。