真祖魔族
中々次の人が来ない、受付のユカさんに跳ねられていると、父、昌幸が報告してきた。
だぁあれも入って来ない、三分もしないうちにルルリナが耐えきれないのか……。
「あーもう、退屈ですね。
レイラさんや、なんか面白い話ないんですか? 」
「あのさぁ、少しは我慢できないの? 」
「退屈なものは退屈なんですから、仕方ないじゃないですか!
いいから面白い話しなさいよ」そんなこと、言われても……あ、そうだ。
「ねぇ、ルルリナ」
「なんですか? 」
「この世界について話してくれない? 」
「……。
コロラさん、話してあげなさい」面倒臭そうにしてさぁ、人に降るんかい。
ほら、コロラさん、嫌そうにしてんるじゃないのさ。
「ルルリナ様。
御自分でお話し、なさった方が宜しいかと」え? 話してくれるんじゃないの? 。
「……。
そうですか、仕方ありませんね」あれ? 人に降ったよね?今、降りましたよね? 何故、そんなに素直に話してんのさ、じゃ初めから話なさいよ……。
「ねぇ、ルルリナ? 」
「そんなの私が知るわけないじゃないですか! 。
私はただの妖精族なんですよ、エルフである、コロラさんの方がよっぽどお詳しいのではありませんか?! 」
「それは私めも同じで御座います。
ここは女神で在らせられるレイラレスカ様に、お訊きした方が宜しいかと存じますが」ちょっとまてい! 話を降った人に返るってどういう事よ。
「……。
あのさぁ、聞いたの私なんですけど」
「レイラ! 知ってるんでしょ? 」そりゃ、改編されたから、解るけどさぁ。
「……わかりました。
話せばいいんでしょ、話せば……」くそ、何故自分が置かれている状況を自分で説明しにゃあならんのだ! 理不尽すぎやしませんか?! 。
先ずは、一番最初、私がこの世界、アクアで目覚めたて、女神になったことを伝えたら。
「貴女は、お馬鹿なのですか! 」
「そうで、御座いますよ。
レイラレスカ様は、産まれた時から女神ではありませんか、そんな馬鹿な話はございません」
「そうよ、レイラ……」まぁ普通そうだろうね。
なんてたって、皆は記憶の改変をされてる訳だし、そりゃ当然の反応でしょうね、私でもそうなるよ、きっと。
私の記憶だと、何か? 爆弾なのか、隕石なのか、岩なのかは解らないけど、それに潰されて、こっちに転生した。
二回目の星移動って言えばいいのかな、ゲートで別世界に放り出されて……んで、三度目は、時間停止をされて瞬間移動させられたんだよね。
この短い時間でよくもまぁ三回も星移動経験をする羽目になるとは思わないよ、それに記憶の改変まで、御丁寧にするんだからさぁ、手が込んでらしゃることで、頭が探しますよ本当に。
神って存在が如何に暇人かが、これを通してよく分かりましたよ。
それにしても地球の約五倍の大きさのアクアは、日照時間が長い、多分、四十八時間ぐらい? 時計が無いから正確な時間はよくわかんないので、適当です。
それに野性動物が地球で例えるならゲーム状でよく見る架空の存在達ばかり、実写と映像は違うんだけど、極自然で違和感が無いって所かな、最初だけかな、ちょっとビックリしたのは……。
な、なによ、皆して、こいつ頭可笑しいんじゃないの、的な目は!酷くないですか、余り強く言うと変に疑われるから誤魔化してはいるんだけど。
「レイラさんや、貴女はとうとう壊れてしまったのですか」ルルリナに心配されるなんて、屈辱的だわ。
そもそもの原因は、アンタが暴走したのが、いけないんじゃないのさ、それを分かってるのですか、ルルリナさん。
あ、やっと次の人が入ってきた、三人娘だけど、一人は腰から羽が在るし、牛の角に耳が胸鰭。
その後ろは羊の角で耳は一緒か、三人目は普通だけどさぁ、なんだろう、この違和感は、首元の首輪は、なに? ……。