まりなの策謀
「キャーー、生、生レイラレスカ様に会えるなんて、夢でも見ているかのようです」喜び過ぎじゃない?!。
「……えぇ、どうも」
「イヤー、レイラレスカ様の生声、もう感激です……」ギャップが凄い、黙ってれば清楚で可憐なのにさぁ、喋った途端に、はい、アウト、この痛々しさはなんだろ……。
「落ち着いて、名前と種族名、それに特技などありましたら、教えてください」あれ? お母さん、さっきと全然対応が違うじゃんか。
「あ、す、すいません……。
私、由衣と言います。
しゅ、種族はヴァンパイヤで、です。
ゆ、由衣・ヴァルトリッパです、給仕が得意です、よ、宜しくお願いします」ペコリ、頭を下げる姿が何ともいえない、ゴブリン娘も、そうだったけど、名字は期待通りなんだよね、小春・ホブット、都菜実・ゴルト、紗弥加・ハーリン……女性はこういった名前が一般的なんだって、紗弥加が教えてくれたっけ、まぁそのうち慣れるでしょ。
「じゃ試しに、其所のお茶を出してみてくれる」
「はい、わかりました」あぁ、あんなにカチコチで大丈夫なんの、観ていてハラハラしちゃうよ。
胸に手を当てて深呼吸、大きく息を吐いた途端に顔付きが変わったけど、そんなに直ぐに緊張が解れるわけないよね、手が震えてるじゃん、でも、手慣れている感はあるな、なんとか無事にお茶を並べ終えましたね、見ている此方が手に汗握ったての。
「練習すればなんとかなりそうね」
「はい、まりな様。
私も、そう思います」
「コロラも、そう思う? じゃ採用」え!? 嫌々今の見たら不採用でしょ、普通は。
「……え?」本人、一番驚いてんじゃん、あぁ、固まっちゃたじゃないのさ。
「大丈夫?」
「合格よ、これから宜しくね」
「あ、有り難う御座います。
せ、精一杯、頑張らさせて頂きます」お母さん、何考えてんだろう、でもなぁ 下手に口出しして家事やらされるの嫌だしな、文句言うなら自分でやりなさいだもん、でも、その後、結局家族全員分のをするはめになるんだよ。
実際は、私がここに座っている意味あるんでしょうか?。
「レイラも黙ってないで、何か言いなさい」
「え?! だってさっき、黙ってろって言ったじゃんか」
「そんなこと、どうでもいいでしょ。
次からはちゃんと意見を言いなさいよ、わかりましたか?」
「……わかりました、言えばいいんでしょ、言えば」ピリピリしちゃってさ、もうやだなぁ、ここに居たくないなぁ、だって、言ったら言ったでさぁ黙ってなさいって言いそうだもん。
「ルルリナ様。
お帰りなさいませ、でわ、此方の方をお部屋まで宜しくお願いします」
「……」……ルルリナも大変ね、また蜻蛉返りで出ていったよ。
「次の人、呼んで」
「まりな様、後、五名迄でお願いします」
「わかったは」
後五人か……あれ? まてよ、うちに使用人なんて、雇うお金なんてあるのかな?。




