まりなの野望
お母さんの様子がいつもと少し違う、なんだろう、錐揉みしていて婿でも見定めてるのか、ギラギラ血走った目をしてるんだけどさぁ、これって只、家で働いてくれる人を決める為の面接だよね?このまま、結婚相手でも決められるって、ことはないよね……。
次の人が入ってきたが、ギャル三人組だったから、ちょっと一安心、でも……。
「お初に御目に掛かります。
ゴブリン族の小春と申します。
宜しくお願い致します」肌が緑色じゃなかったら普通にギャルだな、黒髪のポニーテールって……しかし、ゴブリンがこんなに可愛いとは思わなかったよ、続けて二人が挨拶をしていった、小春に都菜実に紗弥加……なんか普通、もっとこう変わった名前なんだろなぁと思いきや、聞きなれた名前って拍子抜けしてしまうんだけどさぁ。
「あの、なにか御気に触ることなど、致しましたでしょうか」
「え……い、いや……あの……」露骨に嫌そうな顔してたのかな……。
「ねぇ、あなた達、なにが得意なの」うっわ、お母さん、むちゃ嬉しそうに聞いてるけど、なんで? 別に三人が嫌いって訳じゃないんだけど、不快な気持ちにさせたてしまったことで、お母さんが歩労してくれてるって、わけじゃなそう、ん? ……なんだろ、この期待に輝かせた眼差しは。
「か、家事手伝いが得意です」小春の跡に残りの二人も頷いた。
「ほんとに」嬉しさの余り立ち上がった、お母さんに驚いている三人だけど「は、はい」ハモった……。
「じゃ採用」は? いや、まってよ、全然話してないじゃんか、ねぇ面接ってさ、もっとこう厳選して、緊張感漂うもんじゃないの、もうちょっとさ、考えて決めませんか。
「お母さん」
「レイラは黙ってなさい!」即答かい!。
「やったぁ」手を取り合い、合格に喜び会う三人。
合格即日回答って、有りなの? 普通後日じゃないの? アルバイトじゃあるまいし……それにさぁ研修期間を経て為人を良く吟味した上で採用するもんじゃないのかと思いますよ、お母さん。
「次の人を呼んでください」え? もう? ルルリナが戻ってきたら、蜻蛉返りして行ったよ、何故! まりなさんの言う事は素直に聞くのさルルリナさん、はいってなんね、はいって……。
「でわ、御通しして下さい」
「あいよ」お父さん、かる、軽い返事をして、通されたのは黒い羽を腰から生やした女性が入ってきた。
黒髪ツインテールで、またも魚の胸鰭の耳だ、目は琥珀色の瞳で清楚で可憐さを漂わせた美少女。
ギャルの次はお嬢様ってギャップが……あ、ヴァンパイヤ的な雰囲気を醸し出している、ん? 外見、見ただけで解るって女神の恩恵なの?。




