再起動
カンコーン、ん? なんの音、玄関の呼び出しベルじゃないよね? そんなハイテク機能、家には設置されていませんよね……。
「誰かみえた、みたいですよ」来客なのかな……。
「そうですね……。
お客様、なのでしょうか……」何故、疑問系なの? ルルリナの言い方だと呼び鈴だよね、きっと。
「ユカさん、例の人達かもしれませんよ」例の人って誰ね! 。
「レイラさん。
黙ってないでなんとか言ったらどうなんですか」いやいや、私に話フラれても……。
「……」喋った所で、なにか変わるの? 。
「レイラレスカ様」
「いやです。
喋りたくないので、どうぞ、私の事は放っといて話を進めてください」
「あのですね……」
「……」無視無視。
「ちょっと聞いてますか? 」
「……」無言のまま、一人部屋を出ていった。
「御待ち下さい。
レイラレスカ様」
ユカやコロラに呼び掛けられてもさぁ、誰が返事してやるもんか、どうせ、からかわられるだけだし、無視無視……あれ、やっぱり、うちの家族はここに居たのか、薄々わかってはいたけど、扱い酷くないですか。
無造作に廊下に倒れている家族の額に指を当てていった。
「これは酷いですね」人の肩に乗ってんじゃないよ、てか、何時から其所に居たのさ、私はあんたの乗り物じゃないっての、ルルリナさん。
「レイラレスカ様。
そろそろ機嫌、直して下さいませんか」は? ユカさん、何秒前だと思ってんのさ、能天気じゃあるまいし、そんな都合良く気持ちの切り替えなんて出来るわきゃないでしょ。
「女神の怒りは末恐ろしいので、御座いますね」何他人事の様に、さらっと言ってんですか、コロラさん、誰のせいだと思ってんのよ。
「ふぁ~良く寝た」真歩、ナイスタイミングだよ。
「……身体いた~い」愛実、そりゃね、あんな体制で寝てりゃ痛くもなるよ、捩ってたし。
「ちょっと、貴方」
「ママの膝枕、最高」あぁ、股の間に顔を埋めちゃったよ、お父さん見てる此方が恥ずかしいっての! 。
「子供が見てる前で、何処に顔を突っ込んでるですか、あなた! 」ゴン、グーパンチが後頭部に炸裂したよ。
「おはようございます。
昌幸様、まりな様、真歩様、愛実様」深々と頭を下げるユカさん。
カンコーン……。
「おはようございます。
御気分はいかがでしょうか」ちょっと、呼び出しベルは放置ですか、コロラさん。
カンコーン……カンコーン。
「別にこれといって…ないな」ベル、聞こえてるよね、ね、皆聞こえてるよね? 何故にスルーなんだ。
「起きたね。
じゃ私玄関に行くから、ユカさん、コロラさん、後の事は宜しくお願いします」もういいや、置いて行こ。
「私も行きます、コロラさん、よろしくです」コロラに押し付けたよ。
「お任せあれ」あぁ、皆状況の判断がまだ追い付いてないみたいだな。
まぁ寝起きだから仕方ないか、外傷は無さそうだし大丈夫でしょ。