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あんぽんたんな奴ら

 で、なになに、ちょっなにがレイラレスカを口説き落とす攻略だ、ふ、巫山戯けてんじゃないよ。


 兎に角、押せ、押せ、押して自分を売り込めば、きっと彼女の心は貴方にロックオン……ないわ、てか、酷くない! 私はそんなに単純じゃありませんけど。


 ユレイブや真人(まさと)じゃあるまいし、押されたからって靡きませんよ。


 出鱈目(でたらめ)がここまでくると呆れるよまったく、で…はぁ?なによこれ、口説き落とせた人にもれなく貰える薔薇色の人生って、嘘ぽい、幸運の女神じゃあるまいし、そんな事は有り得ません。


 まぁ自分がどんな女神なのかは知らないけど……。


「あ、レイラさんや、貴女は只の女神ですよ」ドから沸いたルルリナさん、あれ? お説教はもう終わったの? 。


「ちょっと、いきなり声を掛けないでよ。

 ビックリするじゃないのさ」


「女神に幸運も幸福もあるわけなあじゃないですか。

 考えれば分かると思いますけど、本当(ほんと)御目出度(おめでた)い駄女神ですね」おい、復帰第一声がそれか!。


「そんなの私が知ってる、わけないでしょ、それに私が何を出来るのかも分かんないのにさぁ。

 て、分かってんなら説明しなさいよ」


「そもそも神だからって常に幸せが(もたら)される訳じゃないんですよ。

 前にも言いましたが神々は傍観者でしかない存在。

 全てを手にしていたとしても何も為す事は許されない存在。

 為す事がなくて暇なんですよ、神って存在は……」やけに、真面目答えるじないのさ、ルルリナさんなんかあるんじゃないでしょうね。


「ルルリナ様、そんな嘘言われますと嫌われますよ」なんですと?!。


「ユカさん、横槍はないですね」


「ちょっと待ちな……」


「ルルリナ様のお仕事は星々(ほしぼし)の管理、生命の思考や言動を記入することではありませんか」コロラさん、まって私が言いたいのに被せないでよ。


「いいですね、その阿呆頭らは何回見ても笑えますね」こいつは(ルルリナ)、元に戻すんじゃなかった。


「あんたって奴は、いい加減にしないと……」


「レイラレスカ様。

 ルルリナ様は放っといて構いませんので、先程の事に付いて御説明いたします」ちょっとビックリするからやめて下さい……コロラさん、少しは空気読んで下さいよ、あ……ルルリナが固まっちゃたじゃないのさ。


「レイラレスカ様が私達の額に指を当てられた時、既に目が覚めていたのですが……」


「身体を想う様に動かせなかったのです」ちょっと、お二人さん何処から繋いで喋ってんのさ。


 ルルリナが余計な事を言いそうだったからコロラさんが対象した途端に、ユカさんが続きを話始めるタイミングの良さ……長年連れ添った夫婦みたいだ。


「そうだったんだ。

 それなら最初からルルリナを攻めればいいじゃんか、私にくることはないんじゃないの」


「確証がなかったからで御座います」あ、そう、私が一番最初に疑われたんだ、ルルリナだと確実に分かるまでは、二人とも私だと決めつけてんじゃんか……あぁなんだろ【あんぽんたん】って称号を与えたいよ、まったく。


 もういいや、この話は付き合ってるの馬鹿馬鹿しくなってきたよ、気持ちを切り替えて本の話にもっていこ、と。


「理由はわかったからもういいよ」


「本当で御座いますか、レイラレスカ様」一々ハモらんでもいいっての。


「わかったから、ね。

 話は変わるけど、このゴブリンだの、ノームだのってのは現実にいるの?」


「ここがアクアなら実在しますが、地球だといない事になります」ユカさん、即答だな、なんの迷いもなく言ったよ。


「なんですか! そんな事も知らないで女神……な……」ルルリナさん、もういいっての、速攻コロラさんに押さえ込まれましたね。


 そんな事も知らないで女神やってんですか! でしょ、知るわけネェだろ、私は元地球人だ、そんなの知っててたまるかっての、一々絡まないと気がすまないんですか、ルルリナさん。

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