台所情報は?後編
扉を開けたらビックリ仰天玉手箱、君達、三時間半なにしてたんですか?! 堀座敷に座って雑談してるなんて、もしかして私が来るのを今迄待ってたんじゃないでしょうね。
ほ、よかった……。
作らされるのかと、ちょっと、焦ったじゃないのさぁ、私を待ってた、訳じゃないから、まぁいいんだけどさぁ……。
うわ、なにこれ、台所が凄い事になっているんだけど、何を作ろうとしていたんだ? ……家電製品ばかりだから、仕方ないっちゃ、仕方がないけど……電子レンジが爆発している、見るも無惨なお姿に、なにを、したらこうなるんだろう?!。
ガス焜炉の上が……あぁ、鍋が破裂してるしフライパンが、変な方向に曲がってる……サンドイッチ状態だよ、何をしたらこんな風になるのさぁ。
そりゃさぁ、アクアの台所は竈だったよ、焼場は鉄板屋みたいな感じで、鍋やフライパンはありませんでしたが、それにしてはさぁ酷い、酷いよこれは……。
「なんですか? それは……」ルルリナ、何故? 私の髪の毛を引っ張るんだ、一人で行きなさいよ、一人で、しかし、無駄に広いなここは……。
十人掛けの堀座敷に座っている、皆は白いカップを机の上に置いて時間を計っているなんて……。
「あのさぁ、みんな、なんでカップラーメンなのさぁ?」ルルリナを振り払って、勇也さんに聞いてみた。
「え?! だって俺、料理出来ないし……女性人が奮闘してくれたけど、見ての有り様だろう。
買い置きのカップ麺があったから出しだけだぞ」皆、眼をキラキラ輝かせてるから、なんとなく分かるけど……。
「しかし、すげぇな、お湯入れて三分なんてよ」お父さん、喜んでるのは、いいけど、食べたことありますからね。
「ほんとだよ、どんな味がするのか楽しみ」真歩、何気に好きだったの選んでんじゃん!。
「うんうん、こっちには便利な食べ物があるんだね」愛実、美容に悪いって食べなかった人がよく言うよ。
「ねぇねぇもしかして、もう料理しなくていい」ちょっとまって! お母さん、そんな栄養が、無い物を、毎日食べさせる気ですか?!。
「お母さん、それは……」ちょっと、……会話を被せてこないでよ、イアラ。
「まりなさん、私も御手伝いしますから料理も頑張りましょうよ」ちょっと御待ちなさい、イアラ! 台所に立った事が無い人が言う台詞ですか。
「そうですよ、私達もお手伝いしますから」リナ! あんたもだよ!。
「そんなに頑張らなくても、レイラがやるって……」おい、ルーナ! そこでなんで 私になるのよ。
「レイラの作る料理は最高に旨いからな」こら、スティ! 私の手料理食べたことないでしょ。
皆の記憶はどうなっているんだろう? なんにか変だ……女神の勘ってやつなのか、後で勇也さんに確かめてみようぉと。
「ちょっと、レイラさんや。
なに、間の抜けた、顔してんですか、やっぱ似非女神は、似非ってことですか」
「……」ルルリナさん、貴女いい加減にしなさいよ。
無言で拳を突きだした。




