目覚めた三人
今の状況を全部理解できた訳じゃないけど、ここが私の知る世界でないことだけはわかったかな、それにしても皆起きないな……。
「どうかしたのか、そんな浮かない顔して……」
「…ルルリナ達、起きないなぁと」ルルリナは起きない方が平和だから、このまま寝ていていも構わないんだけど、一人だと不安だからコロラとユカが目を覚ましてくれると嬉しいんだけどなぁ。
「触ってみたら案外起きるかもしれないよ」
「さっき、ベッドに運ぶ時に触ったけど起きなかったよ」
「服の上からじゃなかったっけ?」
「コロラとユカは足首持ちましたけど、ルルリナは両手で持ってベッドに運んだし……」
「顔とかは触ってないんだろ?」ん、執拗いな、何故?そんなに顔に拘るんだ、ま、まさか……。
「なんでそんなに顔に拘るのさ」
「深い意味はないよ、あ、キスすれば起きるとかじゃ無いと思うんだ」
「あれ? 私にキスさせたいんじゃないの?」
「まさか、それは無いな、そんな設定、俺が嫌だから絶対に無い。
多分だけど眉間にレイラの指を宛てれば、それで目が覚める筈だよ」なんだ、そのピンポイント指示は……しかもさぁ自信アリアリだなんて、間違ってたらどうすんの?。
「ほんとに? そんなんで起きるの?」
「いいから、やってみなさい」何故そんなに上から目線なんだ。
「……わかった、わかりました。
やればいいんでしょ、やれば!」
「なんだ、その嫌そうな態度は!」な、なんだろう、このムカつきは、それにしてもさぁ壁に私達の絵が何枚も飾ってあるんですけど、それも気になるんだけど、後で聞こうっと。
「どうもすいません。
じゃ、触ります」
ユカから起こそう、真ん中で寝ている、ルルリナの頭の上部分が空いているから、そこに手を付いてユカの眉間に指を宛てよう。
ルルリナを起こさない様にしないと、ルルリナ煩そうだから……。
げ、親指がルルリナの額に当たってしまった、いや、まだ目を覚ます保証はないんだし、取り合えずコロラとユカも触って置こう。
ルルリナが起きません様に、どうぞ、まだ、起きません様に。
空しい祈りは神には届かなかったみたいで、最初に目を開けたのは一番起きてほしくないルルリナだなんて、最悪。
ゆっくり瞼が開き目を越すって身体を起こした。
コロラとユカも同時に目を開けた。
おぉ、勇也さんの言った通りになった、凄いんですが、この後がやだな。
「ん……ん~よく寝またね」
「お、おはようございます。
レイラレスカ様、大変申し訳御座いませんでした」
「ルルリナ様の正で、この様な事に為りましたことを、本人に代わりまして、深くお詫び申し上げます。
それで、私達は、何日くらい眠っていたのでしょうか?」ユカとコロラ……可哀想だ、あんなやつの為に必死になってるなんてさぁ、まだ意識も確りしてないのにさぁ、目覚めの一言目が謝罪だなんて。
「二人が謝る必要なんてないですよ、全部ルルリナが悪いんですから」
「人を指差しながら言わないで、もらえませんか」
「あんたね、反省くらいしなさいよ」
「私を誰だと思ってんですか!。
それに私にそんな態度を取るなんていい度胸してんじゃないですか」
あ、三人とも、呆れ顔で見てるよ、ま、当然っちゃぁ当然か、この態度、本当に何とかなりませんか。
でも、三人友、起きたばかりなのに意識ハッキリしてるのね、さすが元神様ってだけっはあるね。
ルルリナ、今は只の妖精なのに気付いてないんだろうか?。