新しい生活
ベランダから部屋に戻った私達は、ルルリナ、コロラ、ユカをベッドに寝かせて、床の卓上テーブルに腰を下ろした。
うわ、これなに床に厚での布が敷いてある、裏は平たいのに表はモコモコしてる、それに、なにこの足の短い机は?。
「それ、カーペントだよ」
「カーペントっていうんだ、へぇ~凄いね。
こんなのはアクアには無かったよ、それに床に座ることなんて滅多にないしね」
「んで、これは卓上テーブル、床で座って物を書いたり、食事をしたり、色々作業ができる、優れ物だよ。
でね、はい、さっき言ってたのがこれだよ」
「ふぅん、そうなんだ、だからこんなに脚が短いんだ。
これがなに? 」
薄っぺらい本なんて、持ってきてさぁ、それにしても表紙になにも書かれてないし、この世界には変わった本があるんだ。
ノートを開いて見せてくれた。
えっと……レイラレスカのプロフィール自分で書いてないプロフィールを見るのって何か変な気分、生年月日は三月十六日合ってるね、年齢は二十二才。
身長百六十三センチで体重……。
「よ、四十八キロ……そんなに軽いわけがありません、嘘はよくないと思います。
五十三キロです」
「そうなの?」横から覗き込んで見ないでください。
「ス、スリーサイズ……て」
「あれ? そこも間違ってるの?」
「いえ、なんでもないです」なになに、上から八十三、五十八、七十九……ウエストが違うけど、黙っておこ。《ウエストは六十一です》。
「えぇぇ、ちょっと……」
「どうしたのさぁ」
「………」バストサイズまで書いてある。
トップからアンダーまで15. 4 ㎝、て、見てたの? 計る所見てたんですか? この人は……サイズピッタリなんて見てたとしか言いようがない。
「ねぇ、黙っていたらわかんないよ」
「あのさぁ、カップ数なんて、プロフィールに一々書かないし、非常識だとは思わないの。
それにさぁ、こんなに細かくしなくてもいいじゃんないの?トップとアンダーまで態々書いてさぁ、私に対する嫌がらせですか?
そうじゃなかったから今直ぐ消してほしいんですけど」
「……すいません、今直ぐ消します」
黒く塗り潰すと思ったら、白くて四角い物で書いてあるのを消した。
「それなに?」
「これ? これは消しゴムだよ」
「消しゴム? 便利な物があるんだね。
綺麗に消えるし……あれ、これて書いてある文字は、インクじゃないの?」
「違うよ、鉛筆で書いたんだよ。
ちょっとまってね……。
ほら、これが鉛筆」
六角形で緑色をしていて、中心が黒く、周りを木で覆われている、先っぽが三角に尖ってて、こんなの始めて見るな。
「こうやって持って書くんだ」
「へぇ~便利な物があるんだね……。
て、感心してる場合じゃない、続き続き……」
髪型……ね、赤茶色で肩に掛かるくらい、そのまんまじゃんか。
「ん~後は別にいいかな、好きな食べ物とか嫌いな食べ物なんて、今はどうでもよくない」
「そうだね」
「なに? その遠くを見る様な目は……」
「……」
「黙んないで、何とか言ったらどうなのさ」
「別に……」
なんだろう、この不満そうな顔は、男なら言いたい事があるならはっきり言ったらいいのに……。
「な、なんだよ……べ、別にさぁいいんだけど、書いてある食べ物が解らないし、ただ単に面倒くさくなったら聞くのやめただけだろ?」
「何故? 解ったんだ……。
じゃさぁ、教えてくれるの?」
「メンドイカラヤダヨ」
「……何故に片言」
「今度、食べさせてあげるからその時でいいだろ?」
「あっそう……」何となくそんな気がしたから聞くのをやめたんです。
「不服そうだな」
「わーい、今度食べれるなんて超嬉しい」
「棒読みで、態とらしぃからや、め、て!」
「どうもすいませんでした」
はぁ、此れからどうなるんだろう……。




