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ルルリナの暴走

「誰かと付き合うことなんて、今は考えられないのでごめんなさい」よし此なら諦めてくれるだろう。


「今は考えられないだけだろ? な、な、それってまだ脈有りって事だよな」そんな、期待されても困るんですが。


「何言ってんですか、レイラさんはもう貴方の物なんですよ」


「……」こ、こいつは(ルルリナ)! なんて事を口走るんだ。


「それはそうだが……」


「なにか、不服でもあるんですか?」


「どうせなら、身も心も俺で満たして、俺だけの物にしたい、なんつうてな」


「真人様、それは良いお考えかと存じます。

 (わたくし)めも全力でサポートさせていただきます」


「ミカもそう思うか、どうせおれん(おれの)だから俺一色にしたいしな……」


「………」うわぁ、ニヤニヤしてきも、本人の前で話すことじゃないと思うけど、堂々としてるっていうか、どれだけ自分に自信があるかしりませんが好きになることは絶対に有りませんよ、分かってるんですかって言った所で、振り向かせてみせるって言いそう。


「レイラさん、良かったじゃないですか愛されてますよ」


「全然嬉しくないし、かえって迷惑です」


「今はそうかもしれんが、絶対、俺に惚れさせてみせる」


「レイラレスカ様、そう邪険になさらずに、もっと真人(まさと)様を見てあげてください……そうすれば、きっと……」


「グゴルルル……」全身に伝わる重低音、動物の唸り声なのは直ぐにわかった、けど、背中から伝わってくるこの主は産まれてから聞いた記憶がない。二十二年生きてきた私だけど、こんな凍り付く鳴き声は初めてだ。


 両サイドの二人は瞳孔が開き、青褪めて血の気がミルミル引いていく、あぁ冷や汗が凄いです。


「汝ら我の眠りを妨げるとはいい度胸だ。

 それなりの覚悟があっての事だろうな。」


「はぁ?! 誰にものを言っているんですか!」仁王立ちして偉そうにしてますけど、誰か止めて!。


「ふん、小さい割に威勢がよいな。

 だが、我は手加減などせぬぞ。

 我を甘く観た事を後悔するがよい」


「ほぉお、獣風情が(わたくし)に喧嘩を売ろぉなどと、身の程を弁えなかった事を死んで後悔するがよい」


 ルルリナ、あんた何考えてるの、真人(まさと)とミカさんが驚いて固まってるじゃないのさぁ。


 二本の大きな角の間を雷がバチバチ音を立てて、鋭い牙の隙間から炎が吹き出している、身の丈三メートル巨漢を支える前足爪を地面に杭込ませて、今にも飛び掛かってきそうだ。


 バッファローとライオンを足して二で割ったような身体つきをしている、こんなのに平然と喧嘩を売れるルルリナは、はっきり言っていい迷惑だ。


「我に刃向かった事を死して後悔するがよい」


 野性動物(モンスター)は一歩仰け反り、首を廻した、角から雷鳴を轟かせ(いかずち)が放たれた。


「貴方もせっかちな人ですね」


 ルルリナの手前で飛散していく、見えない壁に当たったかの様、さすが神だけど……なにもしていないのにルルリナの後方に、無数の召喚魔法陣が地面に浮かび上がっていく、魔法陣から現れたのはコロラ、ユカ、私の家族と【シンフォニア】ギルドメンバー達……後は見た事が無い人達だ、黄緑色の膚や腰から羽が生えている者、羊の角がある者、てか、多過ぎです。


 現れた瞬間、辺り一面が闇に覆われ白黒のモノトーン世界に変貌した、今度はなによ……。


『ルルリナよ、傍観者で在りながら、この世界に関わりをもち過ぎた事は明白なり、よって神の力を剥奪し、この世界からの追放と一匹の妖精して生きて行くが良い、ルルリナと関わりに会った者も一緒だ、でわ、皆の者さらばだ』


 何故? そぉなんのよ! ルルリナだけ追放でよくない、道連れなんて酷んじゃないですか……異次元に飛ばされ意識が段々と消えていく……。


 これから私達どうなるの?。

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