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怠惰で勤勉な俺は旅に出る  作者: 渡鳥 陸
ドラコ皇国
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最終戦3

 ブーメラン二本を取り出し、魔力を引き出してから仕舞う。


「水よ、纏われ『水盾(みなたて)』」


 魔力を水に変え、それを盾の表面に纏わせる。


「死ね!」


 少女の左手から炎の弾がいくつも放たれる。それを、避けられるものは避けて、避けきれないものは盾で受けていく。


 しかし、どう攻めたものか……電撃で動けなくした後で斬るのが早いのだろうか。いや、電撃では体の動きは止められても思考を止めるまでには至らない、思考が出来るなら魔法は使えてしまう。


 ならば、前回のような土魔法はどうだろうか。……あれは準備に時間がかかる、それにブーメラン三本分の魔力を使わなくてはならないから、六角柱を使わなくてはこっそりと準備することは出来ない。ただ、六角柱はまだ使いたくはない。


「……?いや、そこまでしなくてもいいのか?」


 アリア・ベルと戦った時に使った砂槌なら、魔力一本分で距離をとって戦える。そして発動が気づかれにくい。


「よし」


 盾に懸架されているブーメランから魔力を引き出し、地面へと浸透させる。


「くそっ!この程度の火力じゃ!なら!」


 魔法が当たらない事に苛立ったのか、少女は空へ手を翳す。

 すると、炎の壁で作られたこのフィールドを丸々と飲み込むほどの大きな火球が現れた。


「ここだ!」


 少女の足元の砂を丸く固め、無防備な顎へと叩きつける。発動途中だった火球は、熱だけを残して消え去っていく。


「んぐっ!?」


 腹にもう一発。


「ぐっ!」


 このまま、魔法を使わせずに殴り殺す。


「殺すっ!!絶対に!!」


 口元から血を流し、右腕をだらりと下げた状態でも、焼けただれた目に輝く殺意は微塵も揺らがず、気圧されて砂槌が霧散してしまった。


「しまった!」


「!?今だ!」


 少女が手をこちらへ向けて魔法を放つ。俺は盾を構えて身を守る準備をする。


 しかし、その魔法は俺と少女の間に炎の壁を作るだけのものだっだ。


「いまさら、炎の壁で目眩ましだと?いったい何がしたいんだ?」


「あああああ!!」


 炎の向こうから少女の雄叫びが聞こえてくる。


 と、その瞬間。少女が炎の壁から焼かれながら飛び出してきた。


「っ!?」


 咄嗟に剣を振る。


 それを、少女は右手を盾にして防ぎ、こちらへ張り付いてくる。


「お前も!焼け死ね!」


 その言葉とともに、俺を巻き込みながら少女は火柱に包まれた。

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