ザンとメリッサ
私事のペースが変わりまして、土曜日の執筆が減ってしまい、日曜日の朝更新が辛いんです。そこで夕方や他の曜日に投稿時間を減らしたいのですが、いかがでしょうか。ひとまず、来週は日曜日の17:10位に更新したいと思います。
「試合をして、遺跡に潜れるだけの強さを示す。ということか?」
「そういうことだ、俺が強いと認めたら遺跡探索の許可が下りる。七面倒くせぇ依頼をちまちまこなさずに、一発で遺跡に挑めるようになるんだぜ?さっさと遺跡に挑戦したいんならやるべきだ。俺が認めりゃ、誰でも、どんな奴でも遺跡に潜れるようになるぜ!」
「あの、ザンさん。あなたのそれは特例として認めているのであって、そうぽんぽんと許可されるのはこちらも困るというか……」
「わかってるって、そうたいして強くない奴には与えてないだろう?」
「そうは言っても、昨日も二人ほど許可を出したばかりでしょう」
「あいつらは骨があるやつだった。それだけだ」
「私には、あの女性の方などは遺跡に潜るには実力が足りていないような気がしましたが」
「いや、あれは対人戦の経験が足りてないだけだったぜ?あのレベルの攻撃なら魔物は食らっているだろうし、あの危ない橋は渡らない立ち回りは、限界を確実に見極められることを表している。十分資格はあったぜ」
「なるほど、そうだったんですか」
「すまないが、こちらに話を戻してもらって構わないか」
ザンと呼ばれた男と受付が、話し込み始めたので割り込んで話を引き戻す。
「あ、すみません。改めて説明します、我がギルドのランク1にして頂点の実力を持つザンさんです。この方と戦っていただき実力を認められた場合、遺跡への特別探索権が付与されます」
「そういうことだ、どうだい。やるかい?」
「挑戦に失敗した場合のデメリットは?」
「ひどくて、怪我するくれぇじゃねぇか?」
「なるほど」
「えっと、テイムモンスターはどうすればいいのかな?何か登録は必要?それに、花火にも探索権は必要なのかな」
メリッサが受付に尋ねる。
「テイムモンスターですか……前例がないですね……確認してきます。登録受付ヘルプ頼みます、登録の一連の手続きをお願いします」
受け付けは、そう言って席を立つと奥で待機していた人員に交代を頼みつつ、奥のほうにある部屋へと入っていった。
「はい、お待たせしました。とりあえず、ギルド登録のほうを済ませてしまいましょう。コルド王国のギルドカードはお持ちですか?」
「あぁ」
「はい」
ステータスからカードを抜きだすと、メリッサのものと合わせて受付代理に手渡す。
「なるほど、ではレンさんはランク5から、メリッサさんはランク3からのスタートになります。こちらの用紙に必要事項をご記入ください」
フラットのギルドで書いたような用紙に必要事項を記入していく。
「はい、問題はありませんね。ではこちらがドラコ王国のギルドカードになります。二枚同時に魔力を流して、一枚をご返却ください」
そういって渡された灰色のカードに魔力を流すと、魔力が通ったところから鈍い赤色に変化していく。色が全部変わったところで、片方を受付に返した。
「はい、それでは登録手続きは以上になります。ちょうど先輩も帰ってきたみたいですね」
言葉に釣られて奥の方に目を向けると、受付の人がこちらにくるのが見えた。
「確認が取れました。ひとまず、テイムモンスターがどこまで指示に従うか判らないため、他の冒険者を傷つけてしまうことを危惧して、同行の許可はできないそうです」
「そうか……残念だったな、花火」
「ワウー(そんなー)」
「ウルフ系統は、遺跡にも出るからな。体色が違うとはいえ、敵味方の区別がつかなくなるからな、もし許可が下りていても俺だったらおすすめはしねぇぞ?」
「そうか」
「よし、登録は終わったな?そんじゃあ早速かかってこい!」
「いやいや、ザンさん。ここではやらないでください」
「おっと、そうだったったな!じゃあ地下の練武場にいくぞ!」
やるとは言っていないのだが、勢いで連れていかれる。
「おし!まずはどっちがかかってくんだ?あ、そこの狼でもいいぞ?」
大剣をブンブンと振り回しつつザンは言う。
「その剣を使うのか?」
「これか?そうだな、使うぞ。これは刃引きされた鉄の塊だからな。それと、お前達は使い慣れた武器で構わないぞ?俺のことが心配で全力出せないんだったら、そこにある刃引きされた武器を使え」
「レン、どうする?」
「やらなければ遺跡には挑めないしな、俺はやろうと思うが」
「私もやる。レンはまず見てて」
「いいのか?体は」
「大丈夫だから」
メリッサが一歩前に出る。
「嬢ちゃんがまず相手か。武器は無しでいいのか……っと、なるほど武道家か」
メリッサがさそちゃんグローブをはめると、ザンがやけに警戒したような気がした。
「じゃあ、行きますよ」
「おう、来い」
メリッサが真っ直ぐ走りよって正拳突きを放つ。
離れて見ているから視認出来るが、対峙している状況で見た場合、一瞬掻き消えるようなスピードで動いている。
しかし、ザンはそれを見えているかのように大剣の腹で受け流した。
「なるほど、なかなかはえーな」
と、左に流されたメリッサが、ぐるりと回るようにして左手でザンが大剣を持っている部分を払い落とそうとする。
「!?っとこの動きは!」
ザンは、メリッサの拳をギリギリで回避し、バックステップで距離を作る。
「あんた、あいつの弟子か?」
「あいつって、お母さんの事?」
「お母さん?あの化け物、母親なんてやってやがったのか!?ってことは嬢ちゃんはあいつの娘ってわけか。なるほど、言われりゃ似ている」
「お母さんを知ってるの?」
「あぁ、俺が勝てたことのねぇ唯一の相手だ、忘れるわきゃねぇ。時折、あいつの弟子には出会うが、まさか娘に出会うとはな。なぁ、あいつの英才教育でも受けてんだろ?全力出してもいいよな?」
そう言うと、ザンは殺気を纏った。
メリーさんとは違う、熱を感じるが体が寒さを訴える殺気。
「さぁ、続きを始めようぜ?」




