大罪と美徳
name:飛風練
age:0
種族:人間
ステータス:蓄積魔力2000/2000
筋力100 体力100 頑丈100
器用100 俊敏100 柔軟100
精神100 魔力100 魔回100
スキル:なし
魔法:なし
「まずひとつひとつ解説していくよ」
メリッサはnameを指差す
「これは名前」
指を下にさげてageを指す
「これは年齢、なんで0なのかはわからないけどね」
次は種族
「これも見ての通り」
ステータス
「これは各能力の値を表すよ、村で農家やっている平均男性の値を100としているんだよ。見ただけで意味がわかり辛い、蓄積魔力、精神、魔力、魔回だけ説明するね」
「蓄積魔力はその人に溜まっている魔素の量を表す値。精神は、魔力の構築速度に依存するステータス。魔力は体内の魔素を一度に引き出せる最大値。魔回は、魔力の回復力を指すよ」
俺は各能力を見る、100、100、100......蓄積魔力の最大値が2000ある以外すべてが平均値だ。
「蓄積魔力が多いから俺は魔法使いに向いているのか?」
「いや、魔法の出力は魔力値によるっていったよね。つまり君の場合大きな池だけど、流れだす川の水はせせらぎぐらいしかないといった状態だよ。君の魔力程度ではそこらの駆け出し魔法使いの魔法にも競り負けるね」
「そうか」
メリッサは、スキル、魔法は飛ばして最後のバーを指す
「そして問題はこれ、こんなの私は一回も見たことがないよ」
「見たことがない......か。じゃぁ、これは何なんだろうな」
ツマミらしき丸に触る。
と、同時に電撃が走ったように体が固まり、知識の海から情報が流れ込む。
そして、口をついて溢れる、俺のものではない俺のことば
「七大罪および七美徳シリーズ。――ボーナス、――者のみ自由に変更可。現状一部損失、使用可能な物のみ説明を行います
各種大罪はツマミによりステータスで出力の調整が可能です、また、ステータスを開いていない場合は、頭の中で大罪名、出力値の順に考えることで設定可能です。各一対の大罪と美徳ごとに±100が限界値です。各対の大罪、美徳の合計が±100を越すと業ポイントが溜まり精神に影響を及ぼす恐れがあります
大罪、美徳の説明に入ります
怠惰の大罪、体力およびエネルギーの消耗の軽減。スキル効果にマイナスボーナス
勤勉の美徳、スキルの効果および習得にボーナス、他の大罪、美徳に比べて高い体力およびエネルギーの消耗のデメリット
怠惰を除く、他の全ての大罪、美徳がエネルギー消耗を増加させます」
とめどなく流れた言葉が終わり一息つく。
「終わった......?」
恐る恐るメリッサがたずねてくる。
「あぁ、終わったみたいだ」
「急に壊れた様に喋りだしたから、びっくりしたよ」
「俺もだ、ただ、まぁ、これがなんなのか分かったな」
発した俺自身が認知できなかったが何らかのボーナスらしい。そして、怠惰と勤勉のみが今使用可能だと。
「とりあえずココから出るか。食料はどれくらいある?」
「一人分が2日、実は私もこの層には落ちてきて、偶然来たから、あんまり食料がないんだ」
「そうか」
それを聞いて、怠惰のツマミを50まで上げる。少し、やる気が無くなった気がする。大罪、美徳は精神に少し影響するらしい。
「怠惰を50にした。これであまり食わなくて済む、その代わり戦えないが問題ないか?」
「問題ないかな、というか君スキル使えないよね」
「確かにそうだな」
「大丈夫、魔物は避けていくよ」
「そうか、頼んだ」
「じゃあ出発するよ」
メリッサはそう言って、部屋に唯一存在していた扉を開ける。
そうして、俺はこの世界へ一歩を踏み出した。