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廻る世界と死の謠  作者: 狐絃葉
1/2

日常1 fromCASE1

はい、狐絃葉です。


知り合いの皆さんおはこんばんにちは。


初めましての皆さん初めまして。


うらつく(占いツクール。小説とか占いとか作れるサイトです)で、


主にカゲロウプロジェクトの二次創作小説を書いてます。


読みたい方はコイトで検索検索((


にしても、かなり緊張しています私。


こんな本格的な雰囲気の中小説を書こうということになろうとは…


カミングアウトします、ビビってます。


ここに僕の黒歴史として今手元にある、おふざけ小説を載せたら…


いけませんね、ナイフが飛んできて抹殺される気がします。


それくらい、かなり雰囲気に気おされています。


さて、話を変えて、と。


ネタバレ嫌いとかあらすじに書いておきながら、


キーワードで大体予想出来る感じですね。


はいそうです、ループものです。


しかし、僕はひねくれ者ですので。


ただのループものなど書きません。


…ええ、書けませんとも悪うございましたごめんなさい。


まあ、一風変わったループにしたいと思ってます。


それじゃあ、本編をどうぞ。






追伸。


あとがきは自分の定義として、書き終わった時に書きます。


そして地の文は下手です。


誰か書き方教えて。

 ―――この世界はまわっている。


 何を当たり前の事を。


 そう思う人もいるだろう。


 そういう人は、俺の言っている意味と少し違う解釈をしている。


 この世界は廻っている。


 誰が望むわけでもないのに。


――――――――――――――――――――――――――――――――――




「おはよう!」


 突然耳元にそんな声が飛び込んでくる。


「あ~…はよ…」


「何、その気の抜けた返事は。


 もうちょっとシャキッと出来ないものかなあ…」


 声の主は、俺の恋人。


 浦野昴流うらのすばる、15歳。


「昴流も知ってるだろ~…?俺は寝起き弱いの。いいじゃん、別に」


「良くない良くない、何か私が尻に敷いてるみたいじゃん」


「現にそんな感じじゃん」


「あ~、言ったな~、こいつめ!」


「いだっ…何すんだよ!」


「はいはい、元気出たとこで、行くよ~」


 今、脇腹に肘を入れられた俺は、昴流の恋人。


 霧咲葉きりさきよう、15歳。


「元気は出てねえよ…むしろ引っ込んだ」


「どうでもいいけど、遅刻するよ?」


 現在、8時ピッタリ。


 ホームルームは8時20分から。


「早く言えよ!昴流と違って俺は遅刻したら死活問題なんだからな!?」


 俺は非常に成績が悪い。


 故に、ちょっとした校則破りでも、


 高校受験に非情に多大な被害が出てしまう。


 なので、いつも朝早い昴流と行っていたのだが…


「はいはい、分かった分かった。急ぐよ~」


「っ…おう、全速力でな。ついてこいよ」


「とか言って、おいてかれるくせに」


「昴流は陸上部だろ~…俺は帰宅部なんだし」


「あんさん男子でらっしゃろ~。ほら、行くよ?」


 昴流はそういって、手を差し出してくる。


「うし、じゃ、頼む」


「ついてく気満々じゃない…前みたいに転ばないようにね~」


「流石に中学3年生。そんな真似はしねえよ」


「転んだ時も中3じゃん…じゃ、レディ…ゴゥ!」


――――――――――――――――――――――――――――――




「間に合った~…」


 現在、8時12分。


 5分ほど話していたというのに、流石は陸上部。


 次元が違う。


「貸し1ね、葉」


「え!?嘘だろ…」


「冗談冗談!ま、それなりのお礼は期待しておりますので」


 ニヤけ顔でそう言った。


「はあ…分かったよ、今度出かけた時に何か考えておく」


「やった~!流石葉さん、キャパシティが違いますなあ」


「悪い、キャパシティの意味が分からん」


「ボキャブラリーが貧相だったか…」


「え、何か、酷い」


「ほらほら、用意しないと。結局遅刻になるよ?」


「ヤバッ…サンキュ」


 こうして話していても、この場の静寂は破れない。


 この場にいるのは、俺達だけなのだから。


――――――――――――――――――――――――――――――




 私立矢ノ崎中学校。


 生徒数、15人、内3年生2人。


 それほど、このあたりは田舎なのだ。


 更に、俺達は一つ駅を挟んだ所から通っている。


 つまり、俺達の住んでいるところは、


 もっと田舎、俗に言うド田舎なのだ。


 家が離れていても、良く遊んだ。


 お互いにお互いの家に行ったこともある。


 当時、昴流の両親と俺の親が似ていたのを良く覚えている。


 同年代の子供が、二人しかいないから。


 部活も一応あるが、ほぼ機能していない。


 しかし昴流は、自主練までしている。


「お~、お待たせ~」


「うい、じゃ帰りますか」


 図書室で待ち合わせ。


 いつも、本を読んでいる時間は退屈だ。


「本当、よくやるよなあ…


 陸上部もうちの学校じゃ大きいとはいえ、4人くらいだろ?」


「失敬な、最近増えたんだよ?1人」


「おお、ついに学校の3/1を掌握したか」


「掌握って…まあ、3年生が珍しいんだよ、きっと」


「そういうもんか?」


「そういうものでしょう」


「じゃ、それでいいか。ってことは何か、


 俺も陸上部入れば学校の全員入るのも夢じゃないのか?」


「かもね。まあ、他の部活に入ってる子もいるし、難しいだろうけど」


「ふ~ん…まあ、やらないけど」


「じゃあ何で言ったのさ」


「いや、昴流がどんな反応すんのかと」


「私にどんな反応してほしかったの?」


 言葉に詰まる。


 言えない。


 昴流は、唐突に質問をして、俺を困らせることがある。


 正直悩みどころではあるが、


 その時の上目遣いに、俺は簡単に喜んでしまうのだ。


「いや、別に…」


「え~、ほらほら、おねーさんに言ってみなさい」


「年同じだろ」


「そうだっけ」


「とぼけて何か利益でも」


「相変わらず、損得ばっかりだなあ、葉は」


「…こればっかりは、教育が悪い」


 うちの親は、人を疑わないような性格だった。


 そんな親が、会社を立ち上げた。


 金融業。


 当然、借金を踏み倒すやつは腐るほどいる。


 とうとう、破産し、ついには倒産した。


 その時を境に、両親は人を疑いに疑った。


 目につく人ほとんどを、踏み倒し、復讐とばかりに出世した。


 それを直接影響に受けた俺は、疑り深く、損得で動く人間になってしまった。


「まあまあ、葉の親御さんだって、悪気があった訳じゃないんだし」


「そりゃそうだけど…お、もう昴流の家か」


「そうだね、じゃあ、また明日」


「おう、また明日」


 そして俺は、一人坂道を駆け上がる。


―――――――――――――――――――――――――――――――




「ただいま~…」


「ああ、お帰り」


 家には父さんだけだった。


「母さんは?」


「パートだぞ?予定表、渡さなかったか?」


「あ~…多分貰ってない」


「ああ。じゃあ、後でコピーを取ってこよう」


 父さんとは、こんな会話ばかりだ。


 他人のような家族。


 嘘のような親子。


 そんな感じだ。


 この人たちが、俺に興味があるのかすら分からない。


 家を出ると言ったらどんな反応をするのだろう。


「…あ、今日の晩ご飯。何?」


「…カレーだ」


「…ありがと」


 カレーは、三日連続。


 父さんはカレーしか作れないのだ。


 ダメ元で聞いてみたが、駄目だった。


 いっそ、本当に家を出てやろうか。


「晩ご飯の用意、手伝ってくれよ」


「…あ~い」


 俺はそんなことを考えながら、夕食の用意を始めた。


―――――――――――――――――――――――――




「なあ、父さん」


 俺は計画を実現することにした。


 ここにいても始まらない。


 だが、何故か何も告げずに出る気にはならなかった。


「…何だ?」


 自分のことながら、何でなのか分からない。


 せめて家族だから、なのかもしれない。


「俺が家を出る、って言ったらどうする?」


 あれ。


 家を出る、と宣言するつもりだったのに。


 何故、提案になってるんだろう。


 父さんは、驚きとも呆れとも取れない顔をしている。


 しかし、すぐに顔を戻した後、


「…好きにするといい」


 と呟いた。


 それから、言葉をかわすことなく、俺らは夕食を食べた。


 カレーは美味かった。


 これまでで、一番。


――――――――――――――――――――――――――――――


 俺は荷物をまとめにかかった。


 最低限の書物と、着替え。


 学校の荷物。


 財布。


 いざという時の携帯。


 これだけあれば、大丈夫だろう。


 確認にかかる。


 全部ある。


 俺は、布団にもぐり込んだ。


―――――――――――――――――――――――――――――




 翌日。


 いつもの、自販機の前で待ち合わせ。


 今日は、昴流に話すことがある。


 家出のことだ。


「お~い、葉~」


「お、昴流。はよ」


「おはよう、今日は眠そうじゃないね?」


「おう。早めに寝たからな」


「へ~…珍しい」


「珍しいって何だよ…それより、走って行こうぜ」


「お?何々、葉さん、運動する気になったんですかい?」


「運動してないみたいに言うなよ…」


「ま、いっか。じゃ、行こう?」


 昴流は、手を差し出す。


「置いて行かれるなよ?」


 手を掴…


「じゃ、今日は競争ね?」


 俺の手は空を切る。


 昴流が手を引っ込めたのだ。


「おう。負けねえからな」


「お~け~。じゃ、レディ…ゴゥ!」


 俺たちは坂道を駆け下りた。


―――――――――――――――――――――――――――


「…よっしゃあ…」


「は~…葉、いつからそんな早くなったの…」


「知らん…心当たりがないわけじゃないが」


 結果は、同着くらいだ。


 少し昴流の方が早かったが、


 本人が同着と言うので同着だということにする。


 …ここで俺は、本題に入ることにした。


「…なあ、昴流」


「ん、何~?」


「また貸しを作るようで悪いんだが…」


「いいってそんなの。で、何でっしゃろ~?」


「え~と…俺、家出することにしたんだ」


「…それで?」


 顔が真面目になる。


 俺も、昴流も。


 空気が張り詰める。


 俺は切り出す。


「あ~…えっと…」


 切り出せなかった。


 肝心な時に役に立たないな、と思った。


 それでも、言わなきゃいけない。


「陸上部、入るから。昴流の家に置いてくれないか?」


「あ~…どうだろ…その辺は私の親に話してみないとなあ…」


「すまん、話、通しておいてくれ」


「うん、葉も災難だね」


「ああ…んあ?」


「いや、何でも。ほら、準備しないと」


―――――――――――――――――――――――――――――――




「待たせたね。じゃあ、帰ろう?」


「ああ、そうだな」


 図書室を後に、下駄箱へ向かう。


「…ねえ。」


「ん、何だ?」


 昴流は何か話があるみたいに、口を開いた。


「今日は、ちょっと遠回りして帰ろうか」


「え?あ、いや、別にいいけど」


「そう。ちょっと、長めの話があるからさ」


「あ、ああ…」


 昴流はいつになく真面目な顔だった。


 俺は、何が話されるのか、と。


 全く見当がついていなかった。


――――――――――――――――――――――――――――――




「…で、話って何だ?」


「うん?まあまあ、そう慌てなさんな?」


「え、どういうこと?」


「いいじゃない、私だって心の準備くらいあります~」


「そ、そんなもんか…?」


「そんなもんッスよ」


「そうか…じゃいいか」


「さっすが。そういえば、葉」


「ん、何だ?」


「いっつも、何してるの?」


「はあ?」


 意味が分からない。


 純粋に良く分からない。


「え、その、何だ?どういうことだ?」


「ああ、うん、私が悪かった…帰った後、何してるの?」


「何…か。何もしてねえなあ…」


「え?ごめんちょっと良く分からない」


「いや、言葉のまんま。何もしてない」


 昴流は唖然としている。


 異常なのは理解してるが、そんなにか?


「お~い?」


「は~…そりゃ凄いね」


「そりゃどうも。そういう昴流は?」


「うん?私?」


「おう。人に聞くなら自分もだろ」


「私は…家事かなあ…」


「さっすが。昴流さんは次元が違うや」


「…うん、丁度いいし本題に入ろうか」


「え?」


 昴流は笑顔を崩し、静かに目を閉じ…


 見開いた。


 その顔は見たことがない、覚悟が入った表情をしていた。


「私ね、その家事、やらされてるんだ」


「家事なんてそんなもんだろ?」


「やらないと、殴られるんだ。俗に言う虐待ってやつだよ」


「あの、人のよさそうな人達がか…?」


 昴流の親は、それこそ人を疑うことを


 知らなさそうな人たちだ。


 俺はあの家の空気がとても好きだった。


「そんなの、いくらでも取り繕えるよ。


 表側だけ。家では、そんなところ一つだってない」


 俺は言葉を失う。


 対照的に昴流は、全て吐き出そうとしていた。


「お父さんたち、いっつもタバコ吸ってるんだ」


「酷い時には、押し付けられるんだ、それを」


「それも、目立たないように、見えないところに」


「そのまんまお風呂に入れられたこともあったっけ」


「痛かったなあ、本当」


 そこまで言うと昴流は、言葉を止めた。


 俺は、一つ質問をこぼす。


「何で、それを俺に?」


「ほら、家出して、こっちにくるならさ。


 知っておいたほうがいいかなと思って」


「あ、ああ…成程」


「一応、確認しておくね」


「…頼んだ」


「…あ、もうここかあ…」


 そこは、いつも俺たちが分かれる場所。


 昴流の家の前の上り坂だった。


「また、明日ね」


「ああ…」


 俺は、上り坂を駆け上がった。


――――――――――――――――――――――――――――――

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