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神なき世界の創り方―神を信じた幼馴染と、神を殺す兵器を使う俺―  作者: 知識渇望


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第36話 九月の任務

G2の九月が来た。

夏の熱が引いていった。朝の空気の色が変わった。施設の周囲の木々に、緑の中に黄色が混じり始めた。


戦況に大きな変化はなかった。北関東の前線は膠着していた。神徒連盟が大きく動くでもなく、テクノフォースが押し込むでもなく、双方が消耗しながら現状を維持し続けていた。


そういう時期の方がむしろ小さな任務が増えた。偵察、補給路の遮断、拠点の確認。一件ずつは規模が小さくても、数が積み重なった。


 九月の最初の任務は茨城の山間部だった。

神徒連盟の小規模部隊が山中に仮設拠点を作っているという情報だった。拠点を確認して、使用不能にして退く。難度は低めとされていた。


部隊は六人。ライカが指揮を取った。

山道を進んだ。九月の山は夏とは違った。草の匂いが変わっていた。虫の声が少し減っていた。秋の気配がした。


「前方二百メートルに建物の反応」とHUDが表示した。熱源は四体。

ライカが手で止まれの合図をした。部隊が止まった。全員が岩や木の陰に入った。


「四体。建物内に三体、外に一体」とアラタは報告した。


「外の一体は南側。こちらの来た方向に背を向けている」


「北から回り込む」とライカは言った。


「外の一体を先に処理する」


二人が北に向けて動いた。残りは現位置で待機した。

二分後、無線にライカの声が来た。


「外の一体、処理した。建物に入る。アラタ、ドローンを窓から入れろ。内部の配置を確認してから動く」


「了解」


ドローンを一基、建物の割れた窓から内部に入れた。


暗い内部。HUDにドローンの視点が映った。木の板が重なった内部。机が一つ。棚が二つ。三体が中にいた。一体が立って外を見ていた。一体が床に座って端末を触っていた。もう一体が奥の部屋で休んでいるらしく、姿が見えなかったが熱源の位置はわかった。


「立っている一体が入口付近。座っている一体が中央。奥に一体」と報告した。


「入口から入って中央を先に取る。奥は私が担当する」


「わかりました」


東の窓からアラタが入った。西の扉からライカが入った。

入口付近の一体が振り返った。光の短剣を出した。距離は五メートル。


アームキャノンを二発。一発が盾に弾かれた。もう一発が当たった。障壁の光が弾けた。ドローンを二基向けた。障壁に二、三、四発と当てた。障壁が消えた。相手も応戦してきたが、攻撃をいなした。

ブレードアームで胴部を打った。戦士が倒れた。


中央の一体が光の槍を構えた。立ち上がった。

アラタは横に動いた。槍が壁に刺さった。ドローンを集中させた。障壁に一回、二回。戦士が動きながら二本目の槍を投げた。


一本目をシールドで受けていた。二本目が視界に入った。横に跳んだ。間に合った。

練習した動きだった。シールドで受けながら次の槍を意識する。今日初めて実戦で機能した。


味方が三回目、四回目を当てた。障壁が消えた。アームキャノンを低出力で撃った。中央の一体が吹き飛んだ。

奥の部屋からライカの声がした。


「制圧完了」


四体全員戦闘不能。死者なし。拠点の物資を確認した。通信機器を壊した。建物に火をつけた。

帰路、山道を降りながらアラタは今日の戦闘を確認した。


二本目の槍への対処。シールドで一本目を受けて、二本目に意識を残した。加藤に言われた通りにやって、機能した。八月の任務からの改善だった。


「今日の動き、変わったな」とライカが後ろから言った。


「シールドの使い方を変えました」


「加藤か」


「はい」

ライカは短く頷いた。それ以上は言わなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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