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おっさん×幼女3:宿は贅沢に

「おきなさい、××」

「おなかいたい…」

「また?」

「いたいの…」

「もう」

「××ちゃんのけびょーはじまったー」

朝、起きるのも学校への支度をするのも嫌だった、母親が眉根をよせ××から言われてもベッドの上に蹲った…。


丸1日歩き通して着いた隣のトルタ・キギモロク、《アルテレシア》に王という物はいない、天帝という神の上位の存在が支配し、天帝の血族が貴族、それ以外はそれ以外で成り立ち貴族が国を支配しているような世界、国や街には支配者の貴族名が付く。


「…………ふえ、やっとついた。いやー大荷物持っての移動ってきついなー疲れた…良い宿に泊まろう」

街の入り口に着いて息を吐く、人はまばらで街に入る為に他所の街から来た者は3,000ロネを支払う。

「冒険者か」

「今は休業して旅をしている」

「そうか、ここの統括ギルドの依頼も滞っている。よければ受けてくれ」

「考えておく」

門番に銀の冒険者証を見せ金を支払う、軽く会話をして中へ入ればありふれた街並みが広がっている。

丸1日歩きどおしで疲れたので、高い宿で風呂に入りゆっくりだらだら過ごしたい、懐は温かいので今までなら絶対使わないであろう宿に向かう。

《トルタ・キギモロク》には何度か来た事があるので慣れた物、屋台の匂いにそそられつつさっさと荷物を置きに行きたいと足早に進んだ。


「ここは高位商人、貴族様ようの宿だ。冒険者は泊まれない」

この街、いや国で最も高い宿へ向かえば門番に止められてしまう、以前は冒険者も傭兵もそれなりの身分があれば宿泊可能だった筈だが、上から下までじろじろ見られバンクはそういう事かとあっさり引き下がる、見た目や荷物で拒否されたのだ、門番がふんと鼻を鳴らし嘲笑っている声を聞きながら宿を探そうとしたが先に飯にしようかと屋台へと戻った。


「肉麺1つとこのレモネードちょうだい」

「あいよ、700ロネね」

屋台の恰幅の良い中年女性に麺とレモネードを頼む、不思議とこの世界には麺とレモンもあるのでバンクは嬉しい、箸もあるので適当にベンチに座って温かい肉麺を啜り甘くないすっぱいレモンを絞った水をごくごく飲む、美味しい肉も柔らかく味付けも濃くそれがまた麺と合っていて美味しい、まだまだ食べたい所だが宿を取った後の楽しみにし椀とコップを返して荷物を持ち直すと子どもが札を持って立っている、『宿空いてます』の文字よくある客引きだ。

「……いいか、お嬢さん。今夜の宿を探してるんだ、案内して」

「うん」

小さな女の子に声を掛ける、日本だったら不審者だよなーと思いつつ宿を案内して欲しいというと少女の顔色は明るい。

こっちこっちと急かす少女を眩しく感じながらバンクは笑って少女の後に付いて行く、シンプルなワンピースと緩く編んだ髪がよく似合う。


「まあまあ、ようこそ。部屋は奥をご利用くださいな。1泊5,000ロネ、朝食付きです」

「そうだな、2泊頼む」

「はい、お洗濯も請け負ってますから、部屋の外の籠に入れておいてくださいな、シャワーも使えますからね。早い者順なので声を掛けて下さい」

「助かる」

宿は3階建ての質素な外観、中へ入ると母親らしい少女と良く似た女性に出迎えられサービスの良さに喜ぶ。

さっそく鍵を貰い奥へ行くと清潔なベッドと白いシーツに換気された部屋、机と椅子と棚に掃除の行き届いた広めの部屋に喜ぶ。

「わ、いいな」

『少しだけ生活をよくして行こう計画』の第一歩に相応しいとバンクははしゃぐ、荷物の中から服を出して部屋の外の籠に出す、今来ている服も脱いでシンプルな服に着替えておく、荷物は最小限で服そんなにない。

「ボックスがあればなー馬車か馬……うーん、使役獣…うーん……」

ベッドに腰かけながら考える、荷物を増やすにはボックスか荷馬車か使役獣等の手段を用いて荷物の量を増やすして旅を進めた方が良いが安い買い物でもなく維持費も掛かる。

不意に窓から下をみると案内してくれた少女が洗濯籠を持って井戸で水を汲み洗濯を始める、もう1人女の子がいたので妹だろうか2人でせっせと洗濯物を踏んで洗っているのをバンクは微笑ましく眺めていた。

「明日はギルドに行くか、結構依頼もありそうだし。南に行く為の護衛依頼があればいいな。お腹ももうちょっと減らしてからにするか、肉麺美味しかったな…おにぎりとか食べたいな味噌汁とか………そうだ」

背負子からごそごそと荷物を括る紐を出しながら長さを調節し紐で結び両指であやとりを始める、バンクは笑いながらほうきやちょうちょ、東京タワーなど夢中に器用にあやとりを行い時間を忘れていく、こんな静かな時間が自分にあるのが不思議だが、記憶の中のあの子はもっと上手にもっと早く出来ていた。

「わ、もうこんな時間か。すごいお腹減ったな飯に行こう」

やがて街の鐘がなり外を見ると暗くなっている、もうこんな時間かと背伸びをして立ち上がりすっかり空いたお腹を擦って何を食べようか温かい物がいいなと外へ食事に向かった。

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