表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トンネル

作者: 北川
掲載日:2025/11/15

小学生の頃、従兄弟のターちゃんが車の免許を取りドライブに誘ってくれた。

夏の日の夜、家の外でターちゃんを待っていると

シャコタンの車に友達を乗せて僕を迎えに来てくれた。

確か藤沢のハングリータイガーでハンバーグをご馳走してくれ

ターちゃんの友達が

『このあと樹海に肝試しに行こう』言った。


樹海が何処にあるかもわからなかった僕だが

車のない家で育ったのでドライブが楽しかった。

車内の会話はターちゃん達の武勇伝で盛り上がっていた。

どのくらい、何処を走っているかもわからなかったけど、建物がなくなり山の中を走っていた。


しばらくするとトンネルに入った。

高さは普通だが道幅が無く長いトンネルで

車はゆっくりと走った。


突然、車が急ブレーキでとまり

助手席にいた僕はシートベルトもしていなかったせいで、ダッシュボードに身体を打ちつけた。

凄くビックリした。


運転手のターちゃんは気絶していた。


僕は後ろを振り返り

後部座席にいるターちゃんの友達に

『ターちゃんが動かない』と伝える。

友達の視線は僕を通り越して

怯えた顔で正面を見て大声で叫んだ。


僕は正面を振り返る

何もなかった。

助手席のターちゃんはそのままだ。

もう一度後ろを振り返ると

友達も気絶していた。

僕は恐怖で頭を抱えて目をつぶって丸くまった。


ドーンと車の上に何かが落ちてきた重い音がした。


音の余韻を残してシーンとなった。

僕は片目を開けて周りを見渡したが何もない。


タバコの煙を逃すために

運転席と助手席の窓が少し開いていた。


その隙間が怖くなり、助手席側のぐるぐるを回して窓を閉めようとしたが閉まらない。

固くて回らない。

隙間を見ると人間の指が挟まっていた。

運転席側の隙間にも。

誰かが車の上でうつ伏せになり

窓の隙間にしがみついていると思った瞬間

フロントガラスの外に何かが転がって

ボンネットの上で止まった。


人の顔だけがあり

目は僕を見ていた。


そこから僕は記憶がない。

ターちゃんに『着いたぞ』と起こされるまで。


夜のドライブの疲れで寝てしまい

悪い夢を見ていたのか

現実に起こったのか。

怖くてターちゃんに聞けなかった。


大人になりターちゃんと飲みに行った。

勇気を出してあの日の事を聞いた。


ターちゃんはトンネルをゆっくり走っていたら

眠くなり寝てしまったが

やはり怖い夢を見ていたと。

トンネルの上に人の顔があり、

それが落ちてくる夢を。


ターちゃんはこの話を友達とも話したらしく

友達は車が動かないから睡魔に襲われて寝てしまったと話し、車の正面に人が立っていて近づいてくる夢を見たと話したらしい。


これは何だったのか。

今だにわからない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ