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グリミーの思考

10月17日(火)10:00

2024年問題対策チーム 弐零弐肆に連絡が入った。


テレビで放映された、なかよし保育園のいじめっ子対策の元になっている小説のグリミーをハラスメント対策のキャラクターに起用し、ハラスメント撲滅キャンペーンを行う。


まずは運送業界。次に他の業界にも波及させる。いじめ対策として学校教育にも取り入れる。


国土交通省、厚生労働省、法務省、文部科学省が動き始めた。


小説をモデルにしたCMや教育用DVDの作成、企業向けのDVDも作られるだろう。


もう10月半ば、今からでは遅い感じもするが、本来は業界で取り組まなければならないこと。各企業は独自に進めているはずだ。



佐藤にも連絡が入った。電話が鳴る。

「はい、佐藤。」

「今、正式に例のグリミーを起用すると連絡があった。それで作者から許可をとってもらいたい。」

「金額はどうしますか?」

「まずは打診してくれ。あと確認しておくから。あと、モデルケースにする件も時期に指示がくると思うから、進捗の把握はしておいてくれ。」

「わかりました。」

「うん。じゃよろしく。」

「はい、失礼します。」


“草加部さん、やったな~”


ーーーー


10:35分

今村は上司に報告していた。以前に集約店にいたグリミーを異動させた張本人だったので、話しが早かった。


「おーそこまで追い込んだか。わかった!本部の相談室から連絡が入ったことにすればいいんだな!あとから様子見に行くから。」


こんな感じだった。



今村はグリミー東藤を呼んだ。


「東藤さん」


グリミーは呼ばれたことに気付き今村のほうに向かった。


「はい」

今朝のことなんか全く気にしてない、何もなかったような感じだ。


「話しがあります。2階でいいですか。」

「はい、わかりました。」

グリミーの目線は今村が持っているA4の何枚かの書類に行っていた。


グリミーは今村について階段を登り始めた。階段を昇ってすぐの部屋に(いざな)われ、長テーブルが並んでいるところに座るように手でジェスチャーされた。


「座って下さい。」


グリミーは緊張し始めた。それを感じながら今村は、


「実は本部のハラスメント相談室に実名で告発がありました。」


「えっ!は、はい。」

「それで先ほど、藤島部長と話しまして、今回は目撃者も多く、二人の問題というわけにはいかないと言われました。」

「・・・・」

「今回は嘘もバレている。」


グリミーは大人しく話しを聞いていた。正直に言えないのだ。衝動的で短絡的に承認欲求を満たしたいという身勝手な思考での行為だ。自分より強い相手には強く出れない。こんな奴だ。


「はいっ」

「集約店の時代から、こういうことが続いています。」


グリミーはこの場をやり過ごすつもりだろう。


「これから東藤さんの行動と言動について、全員とヒアリングをします。おそらく半月かかると思います。その際に夜間作業員が何か悪いことをしているかも確認します。いいですね。藤島部長からの指示ですので。」


ナイトワーカーズはグリミーを演技性パーソナリティ障害ではないかと疑っている。承認欲求を満たしたいという思考の持ち主に、今の状況は受け入れがたいだろう。自分を満たすために相手をコントロールしようと巧妙に狡猾に耳元で囁いてきたグリミーが、これから周りからの評価がくだされようとしているのだ。


グリミーは背筋を伸ばしながらも顔が青ざめ、目が挙動不審になっていた。今村がグリミーの手に目を向けると小刻みに震えていた。


「じゃ、そういうことで、処分は部長と相談して総合的に判断します。時間はかかりますからご了承下さい。」


グリミーは、自分をよく見せたくて、今まで取り組んできたものを否定された気持ちになった。こういう思考なのだ。


今村は、グリミーの様子を(うかが)い、「じゃ、このまま休憩に入って下さい」と、言い残し部屋を出た。


グリミーは、精一杯の思考で、この場をどう乗り切るか、やり過ごすかをを考えた。


“キー、これからヒアリングをするわけだから、それまでに皆に気に入られるようにすればいい。”


グリミーはそのまま休憩に入った。


そして、休憩が終わりグリミーは構内に戻った。まばらにいた配達ドライバーに対して媚びを売り始めた。


わざとらしい笑みと、精一杯よく見える振る舞いをしていた。


これが承認欲求の固まりのグリミーの思考なのだ。そこに反省の色は見えなかった。


ーつづくー

『読んで頂きましてありがとうございます。』


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